今週(9月18日~24日)1週間の鉄道ニュースの中から、鉄道コム注目の話題をご紹介。まずはJRの料金制度についてです。
JR各社は22日、新幹線と在来線特急などを乗り継いだ場合に適用する「乗継割引」について、2024年春に廃止すると発表しました。
乗継割引は、対象駅で新幹線と在来線特急を乗り継いだ場合などに、在来線特急料金を半額とする制度です。この制度は、新幹線開業による値上がりを抑止するために設けられたもの。たとえば東北方面の場合、新幹線が開業する前には上野~青森間の特急「はつかり」が運転されていましたが、東北新幹線開業により、これは盛岡~青森間に区間が短縮され、上野~盛岡間の新幹線と乗り継ぐ必要が出てしまいました。この場合、特急料金も新幹線と在来線特急の双方で必要となるため、利用者に不利とならないような制度を導入したのです。
各社では、チケットレスサービスの普及と、これによる割引利用者数の減少により、乗継割引の廃止を決定したということ。新幹線開業から約60年。当初の導入目的を考えれば、その役目は終わったということでしょうか。
なお、武雄温泉~長崎間を走る西九州新幹線では、新幹線「かもめ」と在来線特急「リレーかもめ」を1つの列車として扱い、割引も適用する「幹特在特」という制度が使用されています。割引率は乗継割引には及ばないものの、こちらは2024年以降も継続する模様。乗継割引廃止にあわせて延伸開業する北陸新幹線でも、敦賀駅での乗り継ぎ時に割引が適用される予定です。
もう一つのニュースは、JR九州の古豪、SL「58654号機」。現在は「SL人吉」のけん引機として活躍している同機ですが、22日、団体臨時列車「SLあそBOY」として、豊肥本線の熊本~宮地間を走行しました。
SLあそBOYは、58654号機が動態復元された際に充当された列車。2005年に同機が故障した際に列車自体も運転を終了し、同機が2009年に復活して以降は肥薩線などの「SL人吉」けん引機となっていたたため、豊肥本線でSLが走る機会はありませんでした。
18年ぶりの運転となったSLあそBOYですが、58654号機は老朽化などのため、2024年の運転終了が予定されています。今回の運転が、豊肥本線を走る最後の機会となってしまうのでしょうか。