今週(9月25日~10月1日)1週間の鉄道ニュースの中で、最も大きな話題となったのは、西武鉄道が譲受する「サステナ車両」の形式ではないでしょうか。発表された導入形式は、東急9000系と小田急8000形。2024年度から支線区へ順次投入するということです。
さて、一週間のニュースから鉄道コム注目の話題をご紹介するこのコーナー。今回の1本目は、同じ西武でも、別の車両の話題です。
西武鉄道は9月29日、西武有楽町線開業40周年を記念したラッピング車両を、10月1日から運転すると発表しました。西武6000系を営団地下鉄(現:東京メトロ7000系)のかつてのデザインをイメージしたカラーリングでラッピングし、西武有楽町線の開業当時を再現します。
西武有楽町線とは、東京メトロ有楽町線の小竹向原駅と、西武池袋線の練馬駅を結ぶ路線。今年で小竹向原~新桜台間が開業してから40周年となります。ただし、同線が開業した当時は西武6000系は存在しておらず、れっきとした西武の路線ながら、全列車が営団7000系で運転されていました。
ところで、西武6000系は、かつて黄色の車両というイメージが強かった西武において、初めて青色をまとって登場した通勤電車でした。その6000系が、営団7000系のゴールドをモチーフとしたとはいえ、かつての西武の代名詞であった黄色となるのは、なかなか興味深いことです。2015年には全面が黄色となった6000系ラッピング車両が登場しましたが、今回のラッピングは、「もしも6000系が黄色帯で製造されていたら」というifのデザインとも言えそうです。
もう一つのニュースは、鉄道ではなく船の話題。9月30日をもって、JR西日本宮島フェリーが運営する宮島フェリーとJR線の連絡乗車券が、発売を終了しました。
宮島フェリーは、今でこそJR西日本の関連会社が運営する航路ですが、かつてはJR(分割民営化前は国鉄)が直営で運営する、「鉄道連絡船」の一つでした。青函連絡船、宇高連絡船、関門連絡船のように、離れた鉄道線どうしを結び、船で鉄道車両を航走する、という役目を負った航路ではありませんが、鉄道路線と一体化した乗車券を購入できることなど、鉄道との連絡は意識されていました。
かつての国鉄は、鉄道路線だけでなく、連絡船、自動車線(国鉄バスなど)も営業しており、これらは同じ国鉄の路線として、鉄道、船、バスの区別なく、全区間をまとめた乗車券も発売されていました。現在は他社線との連絡乗車券のような制度となったものの、宮島フェリーのこの一体性は今まで受け継がれていたのですが、これもついに終了。JRグループの鉄道「連絡」船の名残りが、また一つ消えることとなりました。