阪急電鉄は6日、2024年夏に、京都線へ新型車両「2300系」を導入すると発表しました。優等列車向きのセミクロスシートを備えた形式で、2022年に導入を発表していた「座席指定サービス」も、同形式で提供するといいます。
新型車両の導入で気になるのが、既存のセミクロスシート車両である9300系の動向です。2300系で置き換えられるのか、あるいは、座席指定サービスが9300系でも導入されるのでしょうか。
阪急の広報担当に聞いたところ、2300系の導入により、3300系などの旧型車両が置き換えられるとした一方、9300系の扱いは未定だと説明します。とはいえ、考えられる方向性はいくつかに絞られます。
9300系は、8両編成11本が在籍しています。座席指定サービス提供のため、これを全て2300系で置き換えるのであれば、もちろん同数以上の製造が必要です。ただし、阪急の新車導入ペースを見ると、2023年現在最新の1000系・1300系では、11本の導入に4~6年を掛けています。将来的な動向はともかく、2024年夏までに9300系全編成を置き換えるのは非現実的です。
であれば、9300系の4号車を専用車両へ改造したり、あるいは新造車両と交換することが考えられます。また、JR京都線・JR神戸線の「Aシート」のように、対象列車を一部に限るのであれば、9300系はサービス提供の対象外となる可能性も否定できません。
まだまだ詳細不明の座席指定サービスですが、2022年10月の発表時点では、導入は2024年を予定。京都線の「特急」「通勤特急」「準特急」の3種別を対象に、大阪梅田駅側から数えて4両目の車両で、サービスを提供するとしています。
そして、座席指定サービスの導入よりも後、2300系がさらに増備された場合、9300系がロングシートに改造されることも考えられます。
9300系の先代特急用車である6300系は、一部が嵐山線用や「京とれいん」に改造された以外、京都本線の一般種別に転用されることはありませんでしたが、こちらは他形式と異なるドア位置やドア数が関係していたのが理由。9300系は他形式と同じ3ドアのため、将来的には神戸線・宝塚線の9000系と同じような姿となることもありえます。
いずれにせよ、2300系の導入で、結果的に3300系などの旧型車が置き換えられることは、阪急の広報担当の説明からも明らかです。これまでの1300系導入とは異なる形になりますが、京都線の車両置き換えは今後も継続して進められることになります。