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新幹線のアイス、呼び方は「スゴイカタイ」なのか「スゴクカタイ」なのか JR東海子会社に聞く

2023年10月28日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

ここ数年、新幹線の車内販売メニューで人気を集めているのが、スジャータのアイスクリームです。その濃厚な味はもちろんのこと、車内販売での提供時には、アイスクリームにスプーンが突き刺さらないほどのガッチガチな硬さがあることが、人気を集める要因の一つとなっています。

新幹線の車内販売で人気商品となっている、スジャータのアイスクリーム
新幹線の車内販売で人気商品となっている、スジャータのアイスクリーム

このアイスクリームには、その硬さから名付けられたネット発祥の愛称があります。主に使われるのは「シンカンセンスゴイカタイアイス」(正しくは半角、以下同)と「シンカンセンスゴクカタイアイス」。どちらも同じ意味ですが、「スゴイ」または「スゴク」という表記ゆれがあります。

「すごい」と「硬い」は、ともに形容詞です。形容詞は名詞を修飾するもので、形容詞が形容詞を修飾する「スゴイカタイ」という書き方は、厳密には誤りです。一方、「すごく」は副詞。副詞は形容詞を修飾できるので、「スゴクカタイ」の方が日本語としては正しい呼び方です。

しかし、この愛称の元ネタは、ネット上で連載されている小説「ニンジャスレイヤー」。作中に登場するビル「マルノウチ・スゴイタカイビル」を、あるネットユーザーがもじり、「スゴイカタイ~」と呼んだのです。語法が正しいか、ではなく、元ネタがあってのこの名前ということなのですね。

東海道新幹線の車内販売サービスを提供しているJR東海リテイリング・プラスでも、主に「スゴイ」の名称を使用しているようです。同社の広報担当者によると、「SNSで最も多く使われていることに加え、小説が元ネタであるということを尊重し、『スゴイ~』を使用している」のだといいます。

このアイスが「スゴイカタイ」のは、その濃厚な味を引き出すための成分に加え、「新幹線車内にアイス用の冷凍設備がないため、ドライアイスで冷やしていることが理由」だと、同社の広報担当者は説明します。

しかし東海道新幹線では、車内でのワゴン販売サービスを10月末に終了。アイス販売は、11月からはグリーン車の「モバイルオーダーサービス」での提供と、駅の自販機に移行します。駅の自販機ではドライアイスを使用していないため、車内での販売時と味は変わらないものの、硬さは車内ほどではなくなってしまうということです。

11月以降、東海道新幹線の車内販売サービスは、グリーン車の「モバイルオーダー」のみに(イメージ)
11月以降、東海道新幹線の車内販売サービスは、グリーン車の「モバイルオーダー」のみに(イメージ)
「のぞみ」停車駅のホームに設置する自動販売機(イメージ)
「のぞみ」停車駅のホームに設置する自動販売機(イメージ)

それともう一つ、広報担当者は「JR-PLUSオンラインショップでは、車内販売並みの硬さとなるようにお届けしています」と教えてくれました。配送時、箱の中にドライアイスを封入しているので、車内販売と同じような硬さとなるのだとか。

東海道新幹線普通車では車内で購入できなくなるアイスクリームですが、山陽新幹線では、これまで通り車内ワゴン販売で販売するということ。また、一時期は車内販売でのアイスクリーム販売を取りやめていたJR東日本でも、現在は新幹線と特急「あずさ」「ひたち」(いずれも一部を除く)で、再び車内販売商品にラインナップされています。

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