京浜急行電鉄は、11月25日のダイヤ改正で、「エアポート急行」の種別を「急行」に変更すると発表しました。
この「エアポート急行」は、2010年のダイヤ改正で誕生した種別。約13年で消滅することとなった理由は何なのでしょうか。
京急の広報担当に質問すると、この種別名は、「羽田空港へ直通する」ことをアピールするために付けたということ。「エアポート急行」の設定前は、羽田空港~京急川崎間を「特急」、京急川崎~金沢文庫間を「快特」(品川方面からの列車に連結)、金沢文庫以南を「普通」として運転する列車がありましたが、「エアポート急行」はこれに代わる、1つの種別で直通する列車としてお目見えしました。なお、浅草線方面から羽田空港へ向かう列車は、この改正前は「急行」と名乗っていましたが、こちらも「エアポート急行」に名称を変更しています。
しかし、インバウンド需要が高まり、日本語に親しみのない利用者がかつてより増えてきたことで、状況が変わります。エアポート急行の種別表示は「飛行機マーク」と「急行」を組み合わせたものですが、日本語が読めない訪日外国人利用者は、飛行機マークで「空港に行く列車だ」と思ってしまうと、広報担当者は説明します。
エアポート急行は、羽田空港行きだけではなく、空港駅発の列車や京急川崎~逗子・葉山間の列車など、羽田空港へ向かわない、そもそも空港駅を発着しないものもあります。しかし、利用者が飛行機マークだけを見てしまった結果、誤乗が発生していたのだといいます。
今回のダイヤ改正では、「エアポート急行」という名称は「急行」に変わりますが、停車駅はそのままとなります。京急線内での「急行」は、2010年以来の復活。京急蒲田駅以南では、1999年のダイヤ改正以来(臨時列車を除く)の運転となります。