鉄道各社の車両基地公開イベントのように、航空自衛隊の多くの基地では、年に一度、「航空祭」として公開イベントが開催されています。ただ基地内を見学できるだけでなく、迫力ある戦闘機のフライトや、ハイレベルなアクロバット展示を実施する「ブルーインパルス」のフライトが見られるため、これを目当てに多くの人が集まります。
全国に15以上ある航空自衛隊の航空基地ですが、その多くは都市部から離れており、駅からも徒歩やバスで移動する必要があります。しかし、中には鉄道アクセスが容易なものも。そんな基地をご紹介しましょう。
首都圏で最も鉄道アクセスが容易な空自の航空基地が、埼玉県の入間基地。戦闘機は配備されていませんが、輸送機部隊や、災害派遣でも活躍する「航空救難団」の本部が所在する、空自を裏から支える重要な基地です。基地の西側には西武池袋線の稲荷山公園駅があり、航空祭開催時には、ホームから直接基地に入場できる臨時改札口が設置されます。駅から徒歩0分、まさに最も鉄道アクセスが便利な航空祭です。
入間基地の航空祭は、関東で毎年ブルーインパルスが見られるとあって、毎回大人気のイベント。例年は11月3日に開催されていますが、2023年度は2024年1月20日の開催予定となっています。
西日本では、岐阜県の岐阜基地がアクセスが便利な基地。入間のように駅直結ではありませんが、例年の航空祭開催時には、名鉄各務原線の三柿野駅から、川崎重工業岐阜工場の中を通るルートが開放されるため、待ち時間を除けば短時間でアクセス可能です。
岐阜基地も戦闘機部隊は配置されていませんが、新装備のテストなどを実施する「飛行開発実験団」が置かれ、テスト用の戦闘機が所属しています。技量の高いテストパイロットによる高度な飛行は見もの。2023年度の岐阜基地航空祭は、11月12日の開催予定です。
九州の築城基地も、日豊本線の築城駅から至近距離で、比較的アクセスは容易。こちらはF-2戦闘機が2個飛行隊分配備されている戦闘機部隊の基地。近年は、ある戦闘機パイロット(実は鉄道ファンだとか)が考案したファンのツボを押さえたフライトが見られることで、静かな人気を集めています。2023年度の築城基地航空祭は、11月26日の開催予定です。
ただし、航空祭に限りませんが、多くの人が集まるイベントでは、終了後の混雑はつきものです。これらの基地は、たしかにアクセスは容易なのですが、終了後には駅が大混雑し、特に築城駅のような比較的小規模の駅では、入場規制が敷かれることもあります。もちろん鉄道会社側も臨時列車の運転などの対応は取っていますが、利用する側も、時間に余裕を持って行動することが求められます。