11月13日、阪急電鉄は伊丹線、箕面線、嵐山線でワンマン運転を開始すると発表しました。伊丹線は2024年3月23日、箕面線は2026年春ごろ、嵐山線は2027年春ごろに、それぞれ開始の予定です。
同社はこれにともない、すでにワンマン運転を実施している路線を含め、対象路線に安全対策として「センサ付ホーム固定柵」を整備する計画です。柵の線路側にセンサーを設置し、乗降中の利用者の有無、列車発車後に柵の線路側へ立ち入る乗客の存在などを感知するのだとか。この形式の安全対策は、東急多摩川線・池上線などでも導入されています。
さて、筆者はここで、ある疑問が思い浮かびました。それは、嵐山線の今後の動き。ホームに柵がつくと、扉の位置が固定されるため、その数・位置や編成両数などの違いに対応しづらくなります。普段は2扉4両編成の6300系が走る嵐山線ですが、ときおり3扉の6両編成が走ることもあります。そんな嵐山線において、ワンマン化でどのような動きが予定されているか、阪急電鉄の広報に話を伺いました。
同社広報によると、嵐山線各駅のホーム柵は、4両分の設置を予定しているとのこと。同線のホームは各駅とも6両分ですが、4両編成で使わない部分は封鎖することもにおわせていました。また、2扉用、3扉用のどちらにするかはまだ決まっておらず、設置の時点で同線を走る4両編成の車両に合わせる計画といいます。6300系の今後については、現時点では未定だそうです。
以上の回答から考えると、嵐山線はワンマン化後、専用の4両編成が線内を往復するだけの運転形態になる確率が高そうです。2019年以前に沿線各所から運転されていた嵐山線直通の臨時列車(6両編成)は、少なくともワンマン化後は見られなくなると思われます。
また、2023年現在、阪急の2扉車は、嵐山線を走る6300系のみ。同車は製造から約50年と、かなりの時間が経っています。これは筆者の想像ですが、ワンマン化に前後して6300系は撤退するのではないでしょうか。ホーム柵を3扉仕様で作れば、いま京都本線を走っている3扉車を、将来、嵐山線専用へ容易に転用できます。ホーム柵を2扉用、しかも他の車両とドア位置が異なる6300系対応として、運用の柔軟性をなくす理由があるだろうか、というのが筆者の考えるところです。
阪急が10月に新型車両「2300系」の導入を発表した際、今後の車両動向を質問したところ、これと入れ替わりで3300系などの旧型車両が置き換えられるとの回答がありました。その流れで、6300系に動きが出ることは否定できません。未来の話は不明瞭ですが、ワンマン運転開始までの間に、嵐山線に動きが出ることは間違いないでしょう。現在の同線や6300系の乗車、撮影などは、早めにしておいたほうがよいのかもしれません。