コロナ禍前は、12月31日から1月1日にかけて「終夜運転」を実施する事業者が数多くありました。ここ数年は、新型コロナウイルスの感染拡大防止、そして行動様式の変化などを理由に取り止める事業者が増加しましたが、一方で今年度も終夜運転を実施する事業者もあります。
首都圏で終夜運転を実施するのは、JR東日本、京王電鉄、京成電鉄、多摩都市モノレール、伊豆箱根鉄道の5社です。
JR東日本では、山手線や中央・総武線各駅停車、青梅線、総武本線・成田線(千葉~成田間)などの計7系統が対象です。初詣での利用を想定する青梅線、総武本線・成田線では上下各2本ずつを運転。その他の各線では、山手線が15分間隔、中央・総武線各駅停車が10~140分間隔などとなっています。
京王は新宿~高尾山口間、京成は本線の京成上野~京成成田間と金町線、押上線の全線が対象。ともに各駅停車が基本のダイヤですが、京王では「京王ライナー迎春号」、京成では「シティライナー(成田山開運号)」と、有料の優等列車が設定されています。このほか、多摩都市モノレールと伊豆箱根鉄道大雄山線が、終夜運転の対象です。
また、終夜運転としての列車ではありませんが、小田急は臨時ロマンスカー「ニューイヤーエクスプレス」を運転。京急、東急でも、深夜に臨時列車を運転します。
関西圏と中京圏では、京阪電気鉄道、近畿日本鉄道が終夜運転の実施を発表しています。
京阪は大津線を除く各線が対象。主に普通列車と準急列車の運転ですが、「プレミアムカー」を連結した急行列車も、2時台まで運転する予定です。
近鉄は、吉野線、田原本線、湯の山線、志摩線、鳥羽線五十鈴川~鳥羽間を除く全線が対象。臨時の普通など一般列車(区間延長含む)を大阪地区で195本、名古屋地区で28本運転するほか、伊勢志摩方面へ向かう臨時「ひのとり」なども運転します。
ほかにも、JR西日本では、JR京都線・JR神戸線や大阪環状線などで深夜臨時列車を運転。終夜運転という扱いではありませんが、各線とも3時ごろまでの運転となっているので、これに近いものとなっています。また、南海電気鉄道本線の難波~高石間、および水間鉄道でも、2時ごろまで臨時列車を運転する計画です。
さらに九州では、西日本鉄道が天神大牟田線・太宰府線での終夜運転を実施。福岡市営地下鉄では、各線で深夜3時台まで臨時列車を運転します。