今週(12月18日~24日)一週間の鉄道ニュースから、鉄道コム注目の話題をご紹介。まずは、20日に発表された、南海電気鉄道と泉北高速鉄道の経営統合についてです。
泉北高速鉄道は、中百舌鳥~和泉中央間の泉北高速鉄道線や、大阪府内の物流センターを運営している会社。同社は南海の100パーセント子会社ですが、そんな両社が20日、2025年度にも経営統合すると発表したのです。この発表では、南海を存続会社、泉北高速を消滅会社とする吸収合併を前提に検討しているといい、泉北高速鉄道という社名は、あと数年で見納めとなります。
JRを除く鉄道事業者の区分方法には、南海など15あるいは16社からなる「大手私鉄」と、その他の「中小私鉄」あるいは「地方民鉄」といったものがあります。後者のうち、特に規模が大きいものは「準大手私鉄」と呼ばれることがあり、泉北高速鉄道もこれに該当しています。
これまで準大手私鉄と呼ばれている、または呼ばれていた会社は、相模鉄道、新京成電鉄、北大阪急行、泉北高速鉄道、神戸高速鉄道、神戸電鉄、山陽電気鉄道の7社あります。しかし、相模鉄道は大手私鉄となり、逆に神戸電鉄は中小私鉄扱いとなりました。新京成電鉄では、2025年に京成電鉄へ吸収合併されることが発表されており、関東では準大手私鉄が消滅する見込みです。泉北高速鉄道以外に残る3社も、独立しているのは山陽電鉄のみで、北大阪急行と神戸高速鉄道は阪急阪神グループの一員。仮にさらなる企業再編が進めば、準大手私鉄というくくり自体が見られなくなるかもしれません。
もう一つご紹介するのは、JR東日本の209系1000番台の話題。1999年に常磐線各駅停車でデビューし、現在は中央線快速で活躍する同番台ですが、1月に開催されるイベントで、ふたたび常磐線を臨時列車として走ることが発表されました。
このイベントで走るのは、会場までの回送ルートである武蔵野線などと、上野~我孫子~取手間の常磐快速線。かつての常磐線各駅停車ではなく、帯の色も変わっていますが、かつて常磐線を駆けた車両が帰ってくることになります。
209系は今や古い車両。中央線快速のグリーン車組み込み用予備車として転属した209系1000番台は、組み込み作業が完了すれば引退すると噂されています。このイベントは、古巣に帰る貴重な機会となりそうです。