鉄道コムと鉄道旅行誌「旅と鉄道」は、共同企画として「私の好きな〇〇」の投票を実施しています。今回ご紹介するのは、11月29日から12月20日まで実施した「私の好きな『JRのボックス・クロスシートがあるおもな在来線車両(東日本エリア編)』」です。
鉄道車両の座席は、主に通勤電車で見られる「ロングシート」や、中距離を走る電車などで見られる向かい合わせの「ボックスシート」、進行方向に向けられる「クロスシート」など、さまざまな形があります。今回の投票テーマは、ボックスシートやクロスシートを搭載した在来線車両。JR北海道、JR東日本、JR東海の3社で活躍する在来線車両の中から、上位を獲得した車両をご紹介します。
3位は、JR北海道のキハ40系。国鉄時代に開発されたキハ40系は、かつては全国で見られましたが、JR東日本とJR東海ではすでに引退済み(JR東日本の観光列車用を除く)で、JR北海道でも新型車両への置き換えが進められています。ファンからは、「国鉄型だから」という古さを評価するコメントが多く寄せられた一方、「北海道独特の二重サッシが好み」という北海道車ならではの装備に触れたコメントもありました。
2位を獲得したのは、JR東海の313系。同社の在来線電化区間全線で見られる車両で、静岡エリアのロングシート仕様から、名古屋エリアの転換クロスシート仕様、さらにはライナー列車「セントラルライナー」用に製造された車両まで、さまざまなバリエーションが見られるのが特徴です。ファンからは、「転換クロスシートは普通列車とは思えないほど快適」「JR東海のレベルの高さを感じさせる」と、その設備の良さが評価されていました。
そして1位となったのは、JR東日本のE217系。1994年にデビューした近郊型電車で、登場以来横須賀・総武快速線を中心に活躍を続けています。
この車両は、4ドア車とクロスシートを両立させた、JRでは初めての車両。それまでの近郊型電車は、3ドア車体とするのが基本でした。これを通勤型電車と同じ4ドアとし、乗降時間の短縮を図る一方、一部車両でクロスシートを引き続き設けることで、中・長距離の利用に配慮したのです。この組み合わせは、続くE231系やE233系でも引き継がれています。
そんなE217系に対するコメントは、「横須賀線で思い入れがある」「毎日のように総武快速線で乗っていた」と、思い出に触れたものが多め。また、クロスシートに関するものではありませんが、「顔がいい」「イケメン」などと、デザインに触れたものも多く寄せられていました。
なお、E217系が活躍する横須賀・総武快速線では、現在は後継車両のE235系の投入が進められています。この新型車両は、混雑への対応策として、グリーン車を除きすべてロングシートに変更。クロスシートは廃止されてしまいました。