鉄道コム

鉄道コらム

京急とJRが顔を並べる公園がある 鉄道ファンも垂涎?の「ライバル列車共演公園」

2024年2月12日(祝) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

東京(品川)~横浜間の旅客輸送で、とくに強いライバル関係にある京急線とJR線。横浜駅や京急線の神奈川駅付近、京急川崎~六郷土手間にある多摩川の鉄橋などでは、両社の列車が競い合うように走る姿が見られます。また、逗子市、横須賀市内には、京急線がJR横須賀線の線路をオーバークロスする場所があるなど、京急とJRが共演する場所は複数見られます。

列車が動いているという関係上、両社の共演を見られるチャンスは当然ながら限られてきます。が、その共演シーンをカンタンに見られる場所があります。もっとも、京急の車両は動くことのない「保存車両」なのですが。

その場所は、逗子市にある第一運動公園。ここに保存されている600形601号車が、JRとの共演シーンがカンタンに見られる京急車両です。ちなみに、この600形、2024年現在で京急線を走る「600形」ではありません。保存されている車両は、1956年に700形として製造され、のちに形式名を変えたものです。京急で「600形」を名乗る車両は、この保存車両が2代目となります。

逗子市の第一運動公園に保存されている京急600形の601号車。1956年製造の車両で、京急で「600形」を名乗る車両としては2代目です
逗子市の第一運動公園に保存されている京急600形の601号車。1956年製造の車両で、京急で「600形」を名乗る車両としては2代目です

話が少しそれました。この601号車が置かれているのは、公園の南東の端。この場所は横須賀線の線路沿いであり、同線の列車が601号車のすぐ横を駆け抜ける光景が見られます。木々に阻まれやすく、少し難しいですが、601号車と横須賀線列車の顔合わせの瞬間を撮影することも可能です。

保存車両601号車のすぐ横をゆく横須賀線の列車。京浜間ではおなじみの京急とJRの共演が、ここでも見られます
保存車両601号車のすぐ横をゆく横須賀線の列車。京浜間ではおなじみの京急とJRの共演が、ここでも見られます

京浜間では激しい競争を繰り広げる京急とJRですが、こちらの共演はどこか穏やかな印象。601号車は車内に入ることもでき(日中の時間帯のみ)、そこから横須賀線の列車を眺めることもできます。この600形の現役時代を知る人は、懐かしの思い出に浸れ、お子さんは京急とJRを一度に満喫。いろいろな人が、「鉄分」の濃い時間を過ごせることでしょう。

公園の最寄り駅は横須賀線の東逗子駅と京急線の神武寺駅で、601号車までは両駅とも同じくらいの距離。列車本数は神武寺駅の方が多く、保存場所への道は東逗子駅の方がわかりやすくなっています。

ところで、保存されているこの2代目600形、いまも一部の車両が、関東から遠く離れた地で走り続けています。そのことについては、機会をあらためてお話ししたいと思います。

 

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

高崎・盛岡に新型気動車

ハイブリッド気動車「HB-E300系」2025年度下期デビュー。八高線や釜石線などに投入。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

4000系が「機関車風」塗装に

「西武秩父線開通55周年記念車両」11日運転開始。4000系をE851形を模した塗装に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、高倍率ズーム・広角レンズ編です。

画像

京都鉄博に381系

12月12日~17日に特別展示。16日までは、一部で「スーパーくろしお」色ラッピングも実施。

画像

11月の鉄道イベント一覧

数百件の情報を掲載中。鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。