県庁所在地の都市の中心地などにある駅を、その都道府県の代表駅と称することがあります。JTB時刻表の路線図では「都道府県代表駅」と称し、二重の正方形(回)で、JR時刻表の路線図では「都道府県庁所在地駅」「代表駅」の名称で、二重円(◎)でそれぞれ示され、沖縄県を除いてすべてが鉄道駅、かつJRの在来線が通る駅になっています。
46都道府県の代表駅がJR在来線の駅というのは、1つの共通性だった訳ですが、2024年3月16日には2つの駅が共通グループから外れる予定です。その2駅は、石川県の金沢駅、福井県の福井駅。北陸新幹線の延伸開業に伴う並行在来線区間の経営分離により、北陸本線金沢~敦賀間の運行が第三セクターに移るためです。
金沢駅、福井駅ともに、在来線は北陸本線以外になく、3月16日に金沢駅はIRいしかわ鉄道線、福井駅はハピラインふくい線の駅に。IRいしかわ鉄道線は、金沢駅以東の約18キロの路線ですが、新たに金沢~大聖寺間の約46キロが加わり、金沢駅の在来線部分は全面的にIRいしかわ鉄道に移管する形になります。
福井駅は、3月16日に新幹線停車駅となる一方、在来線特急列車の乗り入れがなくなるのも変化としては大きいものがあります。定期運転の在来線特急がないという点では、盛岡駅、福島駅、宇都宮駅、前橋駅、奈良駅、広島駅が例として挙げられますが、ダイヤ改正で新設される通勤特急「らくラクやまと」(奈良~天王寺~新大阪間)や、2024年春の臨時特急「宮城・福島花めぐり号」(水戸~福島間)などを含めると、代表駅としては少数派に。同駅ではそうした観点から、「サンダーバード」や「しらさぎ」などを乗り降りするなり見送るなりし、「特急停車駅としての福井駅」を満喫するのもいいと思います。