鉄道コム

鉄道コらム

「ツノ」が行方不明?な車両も 新幹線の先頭車にある「アンテナ」、そもそも何のためにある?

2024年8月24日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

東海道新幹線の歴代車両(JR東海の新幹線車両)には、いずれも先頭車に「ツノ」がついています。300系以前と700系以降では位置が異なりますが、いずれも先頭車の屋根上にあるのは同じです。

N700系の先頭車にある「ツノ」。N700Sも同じ位置にあります
N700系の先頭車にある「ツノ」。N700Sも同じ位置にあります

このツノは、「指揮官専用機」の証……というわけではなく、走行する電気を供給する架線に、電気が流れているかどうかを検知するためのもの。「検電アンテナ」や「静電アンテナ」と呼ばれています。

JR東海の新幹線車両では目立つツノですが、JR東日本の車両では、ツノが目立たないものも多く存在します。現在活躍する車両では、東海道新幹線の車両のような位置にあるのはE7系だけ。他の形式はどこにあるのかというと、E2系、E3系は屋根に埋め込まれたような形。E5系、E6系、E8系は、パンタグラフカバーの内側に設置されています。引退した車両を見ても、200系と400系は300系などと同じ位置にありましたが、E1系、E4系は、E2系などと同様に屋根に埋め込まれていました。

JR東日本のE3系(左)とE5系(右)の「ツノ」の位置。E6系・E8系もE5系と同じ位置にあります
JR東日本のE3系(左)とE5系(右)の「ツノ」の位置。E6系・E8系もE5系と同じ位置にあります

見た目こそカッコいいツノですが、屋根上の突起物である以上、空気抵抗の悪化や騒音の発生という悪影響は無視できません。JR東日本のほとんど車両では、この対策のためにツノを目立たなくしたようです。同じように、JR西日本の500系も、現在は前から2両目の屋根上に設置していますが、16両編成で活躍していたころは、パンタグラフの内側にツノを設置していました。また、東海道新幹線の最新型車両であるN700Sでは、N700系とは場所こそ変わらないものの、アンテナの形を新しいものに変え、騒音の抑制を図っています。

ちなみに、検電アンテナは新幹線の車両だけでなく、交流区間を走る在来線用車両にも搭載されています。直流区間しか走らない在来線車両にも似たものが搭載されていることがありますが、これはほとんどの場合は無線アンテナ。検電アンテナと異なり、架線の通電状態を確認する機能はありません。

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

ラストランは2月10日

「青胴車」5001形は2月10日にラストラン。引退前の「乗車会」開催や、引退記念グッズ発売も。

画像

「T4編成」展示へ

1月で引退の「ドクターイエロー」T4編成、先頭車がリニア・鉄道館で保存へ。6月に展示開始予定。

画像

幻の東京圏「改良計画」とは?

1950年代の国鉄は、東京圏を今と違った形に改良する計画を持っていました。その中身とは?

画像

「サステナ車両」5月デビュー

元小田急の西武8000系が、車両基地を出場。デビューは2024年度末から2025年5月末に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、標準~望遠・超望遠レンズ編です。

画像

1月の鉄道イベント一覧

2025年も鉄道コムをよろしくお願いします。1月の計画立案には、イベント情報をどうぞ。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。