今週(2月5日~11日)一週間の鉄道関連ニュースから、鉄道コム注目の話題をご紹介します。まず1本目は、北陸地方のローカル線のニュースです。
JR西日本などは8日、「城端線・氷見線鉄道事業再構築実施計画」が国に認定されたと発表しました。この計画は、赤字ローカル線である城端線と氷見線を、利便性・快適性の向上、持続可能な路線の実現を目指して再構築するためのもの。現在はJR西日本の路線である両線を、将来的にあいの風とやま鉄道に移管すること、移管前に新型車両を導入することなどが盛り込まれています。
この計画は、ただ単に両線を経営するだけでなく、新車を既存車より多く投入し、列車を増発したり、さらには交通系ICカード改札機の設置、両線の直通化といった、利便性向上策が盛り込まれています。計画期間は、2月15日から2034年3月31日まで。計画開始からおおむね5年後に、両線を経営移管する予定です。
富山県内では、かつて富山駅と岩瀬浜駅を結んでいたJR西日本の富山港線が、富山ライトレール(現在は富山地方鉄道に吸収)への経営移管、およびLRT転換によって、新たな形への進化を遂げています。城端線と氷見線も、JRの手から離れて地域に密着した路線として生まれ変わることが期待されています。
もう一つは、成田空港アクセスの話題。成田空港を管理する成田国際空港(NAA)などが、6日に開催された将来の成田空港の姿を検討する「『新しい成田空港』構想検討会」第6回会合において、空港ターミナル駅の新設や廃止といった案を提示したと報道されました。
成田空港では、開港時から使用している老朽化した第1ターミナルを閉鎖し、3つにわかれているターミナルを統合する、新しいターミナルを建設する構想が持ち上がっています。今回提示された案では、第1ターミナルに接続する現在の成田空港駅は閉鎖。一方、第2ターミナルに接続する空港第2ビル駅から、新設ターミナル駅直下へと線路を延伸し、新ターミナルと接続する駅を新設するといいます。
この新ターミナル整備に関わる構想は、まだ具体的なスケジュールなどは決まっておらず、現在は計画策定段階です。とはいえ、現在のターミナルの合計よりも規模が大きくなるという構想の新ターミナルが完成すれば、今以上に鉄道アクセスの重要度も増すと考えられます。発着便の増加も期待されている将来の成田空港においては、新ターミナル駅の整備だけでなく、アクセス列車の機能強化も必要。「成田エクスプレス」「スカイライナー」も、新ターミナル駅が完成する頃には、手が加えられているかもしれません。