ものすごい機材を使うプロカメラマンから、スマホで撮るライト層まで。鉄道写真を撮影する方は幅広いです。しかし、その作品の出来を左右するのは、機材なのでしょうか?そうとは限りません。
どんなカメラでもいいんです!2000円弱で買える「写ルンです」でも、腕がある人ならば素晴らしい作品が撮れます。一方で、80万円もする最高級カメラがあっても、カメラが勝手に写真を撮ってくれるわけではなく、素人がいきなりプロカメラマンのような芸術的な作品を撮れる可能性は、ゼロとは言いませんが、ほぼありません。
つまりは、撮影者の知識と、それによって生まれるセンスも、写真の出来栄えを左右する重要なポイントなのです。もちろん、光線状態や背景、影の位置など、気になるものはいくらでもありますが、初心者のうちは、まずは構図から。ちょっとしたことだけを覚えておくだけでも、写真の出来が変わってきます。鉄道写真初心者の方に覚えてもらいたい3つのポイント、さっそくご紹介していきましょう。
左右の空間を意識しよう
鉄道写真のうち、特に編成写真を撮影する際は、左右の余白を均等にすることを心がけてみましょう。左右の空間の幅に大きな差があると、間の抜けたような違和感が生まれてしまいます。
撮影時に失敗してしまったら、撮影後に画像を切り取ってスペースを調節する「クロップ」を活用するのも手です。上手い人の中には「構図なぞ一発で決めろ」という意見を持つ人もいますが、初心者なら問題なし! とにかく練習(撮影)、復習(ダメならばクロップして構図を学習)が、上達への第一歩です。
ホームで撮るときは高さを変えてみよう
反対側のホームから電車を撮る際、立って撮影する方もいるかと思いますが、ここで視点を変える、つまりカメラの高さを変えてみると、少し雰囲気が変わります。
たとえば、視点を下げたローアングルでの撮影は、被写体の迫力が強調されます。駅だけでなく沿線で撮る際にも、俯瞰気味に撮るか煽り気味に撮るかで雰囲気が変わってくるので、ぜひ試してみてください。
傾きを意識しよう
あえてカメラを傾けて写真を撮る方法もありますが、編成写真のように水平が重要な構図では、傾きがあると少し違和感が生まれてしまいます。フリーハンドで構えると、どうしても力が入る右手側に傾きがちなので、少し意識してみましょう。
カメラの中には「水準器」機能を搭載しているものがあるほか、線路周辺の建物なども基準になります。ただし、架線柱などは必ずしも垂直に立っているわけではないので、注意してください。
撮り鉄というと、バチバチの鉄道ファンを想像しがちですが、近年ではライト層も多く撮影しているといいます。そもそもカメラをあまり構えたことがない方でも、まずはこれら3点を意識すれば、写真のデキが変わってくるはずです。
そして、鉄道写真撮影はルール厳守が第一。いくら良い写真の撮影が目的でも、ルールを破ってしまえば「良い」作品とは言えません。
また、鉄道コムでは、プロカメラマンの助川康史さんによる連載「助川康史の『鉄道写真なんでもゼミナール』」を公開しています。こちらを読めば、あなたの写真が上達すること間違いなし! ぜひご覧ください。