鉄道コム

鉄道コらム

57年ぶりに定期特急の停車駅に! 全国2つの「特急が来ない」都道府県代表駅、1駅がダイヤ改正で変化

2024年3月14日(木) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

都道府県庁のJR線の最寄り駅は、各都道府県(JR線のない沖縄県を除く)の「代表駅」と呼ばれています。代表駅はその立地上、市街地の中心部に近く、また重要度も高いためか、ほとんどが特急列車(新幹線を含む)の停車駅となっています。

しかし、2023年3月改正のダイヤまでは、全国46都道府県の代表駅のうち、たった2駅だけ、新幹線も特急も発着しない駅が存在していました。その1駅は、2024年3月16日のダイヤ改正で、晴れて定期特急列車の停車駅となります。

全国で2つだけの、定期特急が発着しない「代表駅」の一つ、奈良駅
全国で2つだけの、定期特急が発着しない「代表駅」の一つ、奈良駅

その駅は、奈良県の代表駅である奈良駅。大和路線(関西本線)、万葉まほろば線(桜井線)の駅で、京都へ向かう奈良線の列車も同駅へ乗り入れています。古都・奈良のJR線の最寄り駅である奈良駅ですが、改正前のダイヤでは、同駅を発着する定期特急列車は運転されていませんでした。

過去を振り返ると、1965年には関西本線を走る特急「あすか」が運転を開始しており、同列車が奈良駅にも停車していました。つまり、約60年前には、奈良駅は特急停車駅だったことになります。しかし、その「あすか」も、早くも1967年に廃止されてしまいます。その後も急行列車は存在していたのですが、2006年には名古屋~奈良間の「かすが」が廃止に。以降、同駅を発着する特急・急行列車は、定期列車では存在していませんでした。

今回のダイヤ改正では、平日朝・夕ラッシュ時に走る大和路線経由の特急「らくラクやまと」が誕生。57年ぶりに奈良駅を発着する定期特急列車が走ることになります。

特急「らくラクやまと」に使用される287系
特急「らくラクやまと」に使用される287系

なお、JR線と競合している近鉄では、近鉄奈良駅を発着する特急列車が運転されています。私鉄の特急には有料列車と無料列車がありますが、近鉄特急は有料で、JRの特急に近い存在。近年では観光特急「あをによし」も登場しています。

JR線の方でも、定期特急列車は「らくラクやまと」が久々の設定ですが、臨時列車ではこれまでにも特急「まほろば」が大阪方面~奈良間で運転されています。「まほろば」は、2010年の「奈良デスティネーションキャンペーン」開催時、2019年のおおさか東線全線開業時、2020年、2023年の大阪駅新ホーム(うめきたエリア)開業時以降と、断続的に運転。2024年春シーズンも、3月~6月の運転が発表されています。

ちなみに、定期特急列車が発着しないもう一つの代表駅は、群馬県の代表駅である両毛線の前橋駅。かつては特急「あかぎ」などが同駅を発着していたのですが、2021年に乗り入れが廃止されてしまいました。

 

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

関連鉄道コらム

関連鉄道イベント情報

鉄道コムおすすめ情報

画像

登場時デザイン撮影会で

京急600形30周年にあわせた撮影会が12月に開催。600形デビュー時デザインが撮影会限定で復活。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

4000系が「機関車風」塗装に

「西武秩父線開通55周年記念車両」11日運転開始。4000系をE851形を模した塗装に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、高倍率ズーム・広角レンズ編です。

画像

京都鉄博に381系

12月12日~17日に特別展示。16日までは、一部で「スーパーくろしお」色ラッピングも実施。

画像

11月の鉄道イベント一覧

数百件の情報を掲載中。鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。