3月16日のJRグループダイヤ改正では、北陸新幹線が金沢~敦賀間で延伸開業。一方で、在来線の同区間は経営分離され、北陸本線は敦賀~米原間45.9キロの路線となり、「サンダーバード」「しらさぎ」といった特急列車も、金沢~敦賀間での運転を15日に終了しました。
さて、そんな今週(3月11日~17日)一週間でしたが、ダイヤ改正以外の鉄道関連ニュースから、鉄道コム注目の話題をご紹介しましょう。
まず1本目は、新潟地区で活躍する特急車両の話題です。JR東日本新潟支社は14日、「しらゆき」などに使われているE653系4両編成1本を、「上沼垂(かみぬったり)色」に変更すると発表しました。
上沼垂色は、かつて新潟地区に所属していた485系がまとっていた塗装。「いなほ」や「北越」などで見られた塗装で、2015年の北陸新幹線金沢開業までは、北陸本線経由で金沢駅にも乗り入れていました。今回の塗装変更は、新潟駅開業120周年、羽越本線全線開業100周年にあわせたとのことですが、北陸新幹線の延伸開業直前の発表というのも、少し粋に感じられます。
もう一つご紹介するのは、近鉄の特急「アーバンライナー」こと21000系。工場で定期検査を受けていた1本が出場し、13日に試運転を実施したのですが、その際にパンタグラフが交換されていることが、鉄道ファンの間で話題となりました。
なにもパンタグラフの交換程度で……となるかもしれませんが、21000系は大阪方先頭車の運転台寄りにパンタグラフを搭載する、俗に「前パン」と呼ばれる形態です。これまでは「下枠交差式」という形のパンタグラフを搭載していたのですが、今回の検査ではこれを「シングルアーム式」に交換。加えて、中央のヒンジ部が車両中央に向いており、先頭部の流線形とは異なる向きでパンタグラフが設置されたことから、入場前とは印象が変化したのです。
見た目の変化が生まれたということは、つまり近鉄はまだまだ同車を使うつもりだという証明。アーバンライナーは、1988年のデビューから36年が経過し、2020年には名阪特急の新型車両「ひのとり」がデビューしたことで主役の座からは降りています。しかし、ベテランの域に達しつつも、まだまだアーバンライナーの活躍は続くようです。