先週末に開業した北陸新幹線の金沢~敦賀間に続き、今週末の23日には、北大阪急行の千里中央~箕面萱野間が開業。2週続けての新線開業となりました。一方で、3月24日にはJR九州の「SL人吉」がラストラン。九州におけるSL列車の動態保存が終焉を迎えました。そんな出来事が入り混じった今週(3月18日~24日)の鉄道関連の話題から、鉄道コム注目のニュースをご紹介します。
まず1本目は、JR東海で活躍した、旧型車両の話題です。国鉄末期に開発され、発足初期のJR東日本とJR東海で主力車両として活躍した211系。JR東海では現在置き換えが進められているのですが、これまで静岡地区で活躍していた同形式の数編成が、3月19日以降、三岐鉄道の富田駅へと回送されています。
三岐鉄道は、三重県内の路線を運営する私鉄。同社の創業当時から運行している三岐線と、近鉄から譲り受けた北勢線の、2つの路線があります。三岐線では現在、西武鉄道から譲受した車両を使用しているのですが、211系はどうやら、三岐線の車両を置き換えるため、三岐鉄道の駅へと回送されたようです。
211系と同時期に登場した205系は、山梨県の富士山麓電気鉄道、さらにはジャカルタに譲渡されて活躍していますが、211系はこれまで譲渡例はゼロ。今後、三重県で新たな活躍を続けることになるのか、鉄道ファンから注目されています。
もう一つのニュースは、伊予鉄道の「坊っちゃん列車」の話題。2023年11月から運休が続いていた同列車ですが、3月20日に運転を再開しました。今回の運休は、運転士の不足によるもの。同社は今回、「人手が完全に充足したわけではないものの、運行可能な乗務員の確保に目処が付きつつある」ことから、坊っちゃん列車の運転再開にこぎつけました。
坊っちゃん列車は、伊予鉄道開業時に活躍したSLを再現した観光列車。モデルとなった車両は、夏目漱石の小説「坊っちゃん」でも触れられています。地方の公共交通機関は収支、人手とも厳しい状況が続く現代ですが、この観光列車の運転再開は、一筋の光となるでしょうか。