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新型の「貨物電車」開発検討へ JR東日本は「TDR新幹線」引退でコンセント事情に変化 今週一週間の鉄道ニュース

2024年3月31日(日) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

年度終わりを迎えた今週(3月25日~31日)。リニア中央新幹線の2027年開業が断念されるという大きなニュースもありましたが、今回は小ネタ的な話題をご紹介しましょう。

3月29日、JR貨物が「JR貨物グループ 中期経営計画2026」を発表しました。その中の「貨物鉄道輸送の更なる役割発揮に向けた体制強化」の項には、「電車型貨物列車の開発検討」という文言が記されています。

現在活躍する貨物電車、M250系「スーパーレールカーゴ」
現在活躍する貨物電車、M250系「スーパーレールカーゴ」

JR貨物では、2004年から、貨物“電車”M250系「スーパーレールカーゴ」を、東京(東京貨物ターミナル)~大阪(安治川口)間で運転しています。貨物列車といえば、機関車が貨車をけん引するスタイルが一般的。ですがスーパーレールカーゴは、自走できる電車の形態となっており、機関車けん引列車よりもスピードアップを実現しています。

機関車がけん引するタイプの貨物列車。最高時速は110キロで、スーパーレールカーゴ(最高時速130キロ)にはおよびません
機関車がけん引するタイプの貨物列車。最高時速は110キロで、スーパーレールカーゴ(最高時速130キロ)にはおよびません

物流業界では、ドライバーの待遇改善を目的とした規制による、いわゆる「2024年問題」に直面しています。それ以前からトラックドライバーの不足は課題となっており、その受け皿として、JR貨物に対する期待は増えつつあります。今回発表されたのは、あくまで中期経営計画のため、今年すぐに新型貨物電車が登場するというわけではありません。とはいえ、仮に新たなスーパーレールカーゴが誕生すれば、物流業界の変革の一手となるかもしれません。

28日には、東京ディズニーリゾート40周年を記念したラッピング新幹線「Magical Dream Shinkansen」による団体臨時列車が、新潟~東京間で運転されました。同編成は東京駅到着後、そのまま新潟の車両基地へ回送。この編成は3月15日で定期運転を終了すると告知されており、そのまま引退となるようです。

Magical Dream Shinkansen(スーパーエリートエージェントさんの鉄道コム投稿写真)
Magical Dream Shinkansen(スーパーエリートエージェントさんの鉄道コム投稿写真)

ラッピングをまとっていたのは、2005年に運用を開始したE2系J69編成です。E2系はもともと、この時点ではJ68編成までの増備の予定(2010年に6編成を追加投入)でした。しかし、2004年に発生した中越地震で、「とき」で運用中だった200系が脱線する事態が発生します。車両は線路を逸脱しつつも、乗客乗員全員の命を守ることができましたが、ダメージが大きく廃車となりました。J69編成は、この200系の代替として製造された編成でした。

3月16日のダイヤ改正では、E2系の運用が大幅に減少。「Magical Dream Shinkansen」とともに東北新幹線を盛り上げた、200系復刻カラー編成のJ66編成も、本改正で運用を終了しています。一方、J69編成以前のE2系が完全引退となれば、山形新幹線「つばさ」用のE3系1000番台が本改正で運用を終了したこととあわせ、JR東日本の新幹線は、全編成がコンセントつき車両に。楽しい車両の引退は残念ですが、コンセントに関しては「ハズレ編成」に当たる確率がゼロとなります。

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