あいの風とやま鉄道は10日、「ありがとう413系【北陸地域色】ラストランツアー」を開催すると発表しました。
北陸地域色とは、JR西日本が2009年以降に国鉄型車両へ施した「地域色」の一つ。「末期色」とも揶揄された中国エリアの車両(黄色)から始まり、北陸本線(北陸地域色)の青色、七尾線の赤色、京都エリアの深緑色、和歌山エリアの青緑色が登場しました。2024年現在、この塗装をまとった車両は置き換えが進んでおり、すでに七尾線と和歌山エリアの地域色は消滅。京都エリアの色をまとう車両は、北近畿エリアで見られるのみとなりました。中国エリアも、山口エリアでは残存する一方、広島エリアからは撤退済み。岡山・備後エリアでの置き換えも現在進められています。
413系は、1986年に登場した国鉄型車両。急行型車両の走行機器を流用し、普通列車に使用できるように製造された、近郊型の車両です。デビュー以降は北陸本線を中心に活躍し、2015年の北陸新幹線金沢開業を機に、5本があいの風とやま鉄道に譲渡されました。あいの風とやま鉄道では、2両編成の521系が主力車両となっていますが、旧型である413系も、3両編成という定員の大きさを活かし、活躍が続いていました。
あいの風とやま鉄道では、413系の1本を観光列車「一万三千尺物語」、もう1本をイベント用車両「とやま絵巻」に改造。「とやま絵巻」を含む4本を、普通列車で使用していました。しかしながら、2021年以降に一般仕様車の引退が始まり、2024年4月現在は一般車はAM05編成の1本のみに。この編成も、今回のラストランツアーで引退することとなりました。
ラストランツアーの開催日は、6月1日。413系の乗車区間は富山~魚津~高岡~富山間で、道中では記念ヘッドマーク撮影会、高岡駅での構内入換乗車体験、呉羽トンネル内での交直セクション通過疑似体験、早月川橋りょうでの自動ブレーキ停車といったイベントが予定されています。
今後、あいの風とやま鉄道では、一部の521系に中間車を連結し、3両編成で運転する計画を進めています。これにより、残る413系のうち、現在は普通列車を中心に活躍する「とやま絵巻」も、置き換えられる方針であることが報道されています。