東京メトロでは、5月11日と12日、東西線の東陽町~西葛西間を終日運休とします。南砂町駅の改良工事にともなう線路切替のためで、運休区間以外でも、東西線はダイヤを通常時から変えての運転となります。
南砂町駅の改良工事は、東西線の混雑緩和や遅延拡大防止のため、ホームと線路を増やすことが主眼。今回の線路切替では、中野駅方面の新ホームにつながる線路の供用開始のため、ポイント(分岐器)を挿入する工事が実施されます。これは列車が走らない深夜だけでは終わらない工事であるため、東西線は2日間にわたって終日運休となるのです。
運休区間以外でも、行先や運転間隔が変更となります。運休区間の西側では、中野方面~茅場町・東陽町間での折り返し運転に。中野~茅場町←東陽町間は通常と同じ5分間隔ですが、茅場町→東陽町間は10分間隔での運転です。運休区間の東側では、西葛西~葛西間は15分間隔での運転。この区間では、片方の線路のみを使用する折り返し運転となります。葛西~西船橋間は、西船橋駅行きが7~8分間隔、葛西駅行きが15分間隔の運転です。また、快速運転や東葉高速線への直通は、両日ともに中止となります。
東西線の一部運休にともない、東京メトロでは、運休区間で代行バスを運行するほか、他社局線への振替輸送を実施します。東西線のきっぷでJR線や都営地下鉄線などが利用できるもので、中央・総武線各駅停車、京葉線、都営新宿線などが主なう回ルートとして挙げられています。また、今回の振替輸送では、普段の輸送障害発生時のものより対象区間を拡大。新京成線や東葉高速線、常磐線の一部区間なども利用可能となっています。
なお、振替輸送の対象となるきっぷは、紙のきっぷや定期券などに限られます。交通系ICカード(定期券区間内を除く)では対象外となり、乗車した経路の運賃がカードのチャージ残高から差し引かれます。交通系ICカードで振替乗車を利用したい場合には、券売機でカード残高を使いきっぷを購入する必要があります。なお、東京メトロ広報部によると、東京メトロの24時間券は振替輸送の対象となるということです。
東西線が運休となる両日は、通常はあまり見られない行先表示を掲げる列車が多く走ることとなります。これを求めて鉄道ファンが多く集まることも考えられますが、東京メトロでは「駅構内等での撮影に関するご協力のお願い」として、ファンに注意を呼び掛けています。当日は、一部駅のホーム上で立ち入り禁止区域を設けるほか、「状況により撮影をお断りさせていただくことがございます」ということ。また、西葛西駅行き列車の行先表示は実施しないとも、事前に告知しています。
余談ですが、葛西駅に隣接している「地下鉄博物館」は、東西線運休日は休館とのこと。東西線の珍しいオペレーションの見学と兼ねて訪問することはできません。