5月に入り、鉄道各社が2024年度の設備投資計画をぞくぞくと発表し始めました。特に5月6日~12日の一週間は、車両に関する話題が多く登場しています。今週一週間の鉄道ニュースをご紹介するこの連載。今回は、京王、近鉄、西武の車両の話題がテーマです。
京王電鉄は10日、新型車両「2000系」を導入すると発表しました。車内外のデザインは、それまでの京王の車両と印象が異なる「ラウンド型」に。利用者や京王社員のニーズを、AIなども用いて分析し、これに沿うデザインや設備を決定したといいます。
京王の車両といえば、車体自体は丸みを帯びたものはありましたが、「目」(ヘッドライト)については、現役最古の7000系以来、角型のものが採用されつづけてきました。スタイリッシュさのある従来形式と異なり、2000系は「やさしさ」を感じられるようなデザイン。デビューする2026年以降、京王線の車両の雰囲気も、少し変わりそうです。
同じ10日、近畿日本鉄道は、新型の一般車両について、2024年10月に営業運転を開始すると発表しました。本車両は、2022年に導入が発表されていたもの。今回、その形式名や、決定したデザインが、初めて発表されました。
形式名は「8A系」。これまでの近鉄車にはなかった付番方式です。車両のデザインは、2022年の発表時とは異なり、白と赤のツートンに。「近鉄らしさを踏まえ」たといいますが、「シリーズ21」より前に導入されていた一般車両を意識したようなデザインとなりました。
9日には、西武鉄道が2024年度の設備投資計画を発表。その中には、2025年度以降に予定している事業として、10000系「ニューレッドアロー」の置き換えが盛り込まれていました。
10000系は、1993年にデビューした特急型車両。かつては池袋線と新宿線の双方で活躍していましたが、池袋線用は001系「Laview」で置き換えられ引退。2024年現在は、新宿線の「小江戸」での活躍となっています。
西武は、10000系を新たな車両に置き換えるほか、新宿線の有料着席サービスの刷新を検討していると説明しています。この文言を見ると、単純に「小江戸」の車両を置き換えるのではなく、「S-TRAIN」のようなライナー列車に置き換えるとも読み取れます。運行開始時期は2026年度中で、詳細は後日発表とのことですが、新宿線の着席輸送事情は、あと2年ほどで大きく変わりそうです。