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東武に続き京急も! 「裏が黒い紙のきっぷ」の「QR化」発表、そのワケは? 両社に聞く

2024年5月19日(日) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

東武鉄道は、4月30日に発表した「東武グループ中期経営計画 2024~2027」において、「QR乗車券の導入による磁気乗車券の全廃」という方針を説明。大きな話題となりました。つづいて京浜急行電鉄も、5月10日に発表した「京急グループ第20次総合経営計画」にて、「磁気乗⾞券のQR化」を掲げました。

京浜急行電鉄の車両
京浜急行電鉄の車両

磁気乗車券とは、自動改札機に通す、裏が黒い紙のきっぷのこと。自動改札機とともに普及しましたが、近年は「Suica」「PASMO」などの交通系ICカードに役目を譲りつつあります。

QR乗車券は、文字通りQRコードを使用したきっぷのことです。従来の磁気乗車券と同じサイズの紙にQRコードを印字したきっぷのほか、スマホなどのデジタルデバイスの画面に表示したものでも、理論上はきっぷとして用いることができます。これまでにも「QRチケット」の導入、あるいは導入発表はありましたが、2024年5月現在、磁気乗車券を置き換えるに至った会社は、北九州モノレールとゆいレールのみ。JR各社や大手私鉄では、磁気乗車券はこれまで通り発売している状況です。そうした中、東武鉄道が先のような内容を発表したことは、他の大手私鉄より一歩先を行くこととして、大きな話題を呼んだのです。

沖縄県を走るゆいレールで使用されているQR乗車券
沖縄県を走るゆいレールで使用されているQR乗車券

東武鉄道の広報部は、QR乗車券導入のメリットについて、「磁気乗車券の置き換えとして紙製のきっぷを維持できること」「デジタル乗車券の造成なども柔軟にできること」を挙げています。また、磁気乗車券に対応する自動改札機では、内部構造が複雑になってしまいます。これをQR乗車券に置き換えることで、メンテナンス性向上を図ることができるとも考えていると説明しています。

JR東日本が高輪ゲートウェイ駅で実施していた、実証実験用のQR乗車券の読み取り装置。同社は2024年度のQRコード乗車サービス提供開始を発表していますが、現段階では磁気乗車券を完全に置き換えるものではないようです
JR東日本が高輪ゲートウェイ駅で実施していた、実証実験用のQR乗車券の読み取り装置。同社は2024年度のQRコード乗車サービス提供開始を発表していますが、現段階では磁気乗車券を完全に置き換えるものではないようです

東武では今後、磁気のきっぷはQRを印字した紙製のきっぷへ置き換える予定です。「紙のきっぷ」自体はなくなりませんが、「裏が黒い紙のきっぷ」は廃止されることになります。また、「PASMO」などの普及前に主流だった「磁気定期券」については、ICカードへの移行を予定しているそう。同社広報部は、詳細については今後決定していくと説明しています。

京浜急行電鉄にも同様に取材しましたが、同社広報担当者は、現段階ではあくまで方針を示したのみという認識を説明。「磁気券の置き換えを進めていく」としつつも、「具体的な時期はこれから検討していく」と回答しました。

また、東武は東京メトロなど、京急は都営地下鉄などと、相互直通運転を実施しています。その直通先とのQR乗車券の共同開発などの取り組みがあるのか、東武鉄道に聞きましたが、「具体的な予定はない」という回答。京浜急行電鉄は、先の通り現段階では方針説明のみということで、本質問に対する回答は得られませんでした。

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