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列車と同じ名前の船も! 大海原をゆく「はやぶさ」「うずしお」

2024年7月15日(祝) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

7月の第3月曜日は「海の日」。2024年は7月15日となっています。海の乗り物といえば船。船には1隻ごとに名前がつけられるのが普通ですが、中には列車と同じ名前を持つものも。今回は、そんな鉄道と共通項のある船の名前をご紹介しましょう。

新幹線「はやぶさ」。船にも同じ名前を持つものがあります
新幹線「はやぶさ」。船にも同じ名前を持つものがあります

民間船舶では、長距離フェリーに「すずらん」「らいらっく」(ともに新日本海フェリー)が存在。近距離航路でも、海洋現象から採った「くろしお丸」(伊豆諸島開発)などがあります。また、スピード感を表現したのか、「はやぶさ」「つばめ」といった新幹線と同じ船名が、複数の事業者で使用されています。

青函フェリーが運航していた「3号はやぶさ」。新幹線の「はやぶさ」同様、青森と函館の間で運航されていました。この船は2024年に引退しましたが、同社は他にも、「はやぶさ」「はやぶさII」「はやぶさIII」と、3つの「はやぶさ」を運航しています
青函フェリーが運航していた「3号はやぶさ」。新幹線の「はやぶさ」同様、青森と函館の間で運航されていました。この船は2024年に引退しましたが、同社は他にも、「はやぶさ」「はやぶさII」「はやぶさIII」と、3つの「はやぶさ」を運航しています

官公庁の船、すなわち海上保安庁や海上自衛隊の船艇・艦船にも、列車名と共通する名前がちらほら見られます。

海上保安庁では、比較的大きな船「巡視船」のうち、現役船舶と現存する列車名の組み合わせのみをピックアップしても、「そうや」「みずほ」「つがる」「あそ」「ひだ」「おき」「ひたち」「つるぎ」「あさま」「かむい」「あかぎ」が存在します。

海上自衛隊の現役主力艦と現存する列車名の組み合わせでは、護衛艦「きりしま」「さざなみ」「しらゆき」「いずも」(=サンライズ出雲)、潜水艦「うずしお」「くろしお」、ミサイル艇「はやぶさ」、練習艦「しまかぜ」、補給艦「ときわ」、敷設艦「むろと」、特務艇「はしだて」が該当。現存しない列車名と現役艦船に対象を広げると、護衛艦「ちょうかい」「あしがら」「あさぎり」「あがの」なども当てはまります。

海上自衛隊の特務艇「はしだて」。京都~天橋立間などを走る列車と同じ名前です。この船は、賓客などを迎えるために建造されたもの。海上自衛隊の船ですが、固定武装は搭載していません
海上自衛隊の特務艇「はしだて」。京都~天橋立間などを走る列車と同じ名前です。この船は、賓客などを迎えるために建造されたもの。海上自衛隊の船ですが、固定武装は搭載していません

海上保安庁と海上自衛隊の艦名・船名の命名基準は、旧日本海軍時代の流れを汲み、旧国名や山、川、気象現象、動物の名前などから採られています。日本海軍でも、「富士」「松島」「榛名」「熊野」「浦風」といった艦名が並んでいました。その他の国では、歴史上の人物や政治上のスローガンなどが艦名に使われることも多く、フランスの「シャルル・ド・ゴール」、イギリスの「プリンス・オブ・ウェールズ」といったものが存在します。諸外国でも、アメリカの「サラトガ」やイギリスの「ベルファスト」のように地名にちなんだ艦名もありますが、日本のように、人名やスローガンを使わない命名基準は珍しいようです。

列車名でも、海外(というよりアジア圏)では、韓国の「セマウル号」、台湾の「自強号」などが、政治的スローガンを使用したものとして知られています。鉄道でも船でも、どことなく詩的な愛称が多いのは、日本の特徴なのでしょうか。

 

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