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新幹線と同じ名前の競走馬も 列車と同じ俊足で駆けたかつての名馬たち

2024年5月25日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

公営競技の一つである競馬は、かつてのようなギャンブルという面だけでなく、レースそのものの面白さというスポーツの観点でも、近年は人気を集めています。

競馬と鉄道は縁が深く、重賞レース(グレードが高いレース)では鉄道会社が協賛していることも。たとえば中央競馬の場合、「京成杯」「京王杯」「阪急杯」、重賞ではありませんが「名鉄杯」といったレースが毎年開催されています。

縁が深い競馬と鉄道(イメージ・写真ACの画像を加工)
縁が深い競馬と鉄道(イメージ・写真ACの画像を加工)

日本の競馬で最も重要視されているのは、毎年5月に開催される「日本ダービー」(東京優駿)。2024年は5月26日の開催です。日本ダービーは、生涯で一度しか出走できないレースで、その世代の中で最も優れたサラブレッドを決めるレースだと言われています。

そんなダービーを1960年に制覇した馬の名前は「コダマ」。現在の東海道・山陽新幹線を走る列車と同じです。たまたまの一致ではなく、コダマの馬主であった伊藤由五郎氏が鉄道ファンであったため、列車名を馬名に使用したのだそう。当時の「こだま」は新幹線ではなく、東海道本線の在来線特急です。在来線時代の「こだま」は、国内初の電車特急として1958年に運転を開始した列車。その俊足ぶりから、初めて東京~大阪間の日帰り出張を可能としたダイヤが組まれ、「ビジネス特急」とも呼ばれていました。

川崎車両神戸本社前に展示されている0系(左)と151系(右)。0系は新幹線として、151系は在来線特急として、ともに「こだま」などで活躍した車両です
川崎車両神戸本社前に展示されている0系(左)と151系(右)。0系は新幹線として、151系は在来線特急として、ともに「こだま」などで活躍した車両です

伊藤由五郎氏は他にも、皐月賞馬「シンツバメ」、予後不良(その後の回復が望めない状態)級の大けがを負いながらも騎手を気遣った馬として知られる「キーストン」(アメリカの特急に由来)など、列車名にちなんだ馬名を使用していました。

他にも、有名どころでは、有力なオーナーブリーダー(生産者兼馬主)だったメジロ牧場があります。1991年・1992年の「天皇賞(春)」を制した「メジロマックイーン」などを輩出した牧場でしたが、ここでは年ごとにテーマを決めて馬名をつけていました。

メジロ牧場の1994年産の牡馬(オスの馬)は、鉄道がテーマだったよう。同年産まれで、1998年に「天皇賞(春)」を制した「メジロブライト」は、「ブライト」=「かがやき」(当時は金沢~長岡間の在来線特急)にちなんだ名前でした。同世代では、「メジロディザイヤー」=「のぞみ」、「メジロシーガル」=「かもめ」、「メジロスパーク」=「きらめき」(当時は米原~富山間の特急)と、鉄道ファンはニヤっとするような名前が目白押しだったようです。

 

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