新幹線の普通車は、2+3列の配置が基本です。在来線特急の普通車は2+2列配置が基本ですが、新幹線は在来線より車体幅が広いため、座席が1列分多くなっています。
普通車で最も人気がなさそうなのは、3列席の中央となるB席。他の席は窓側か通路側のため、片側しか他の乗客に接しませんが、B席では両側に別の席があるため、特に1人の利用時には敬遠されがちです。
ですが、最も不人気な席と思われるB席にもメリットがあります。それは、座席の幅が他より広いこと。たとえば東海道新幹線のN700系の場合、A・C・D・E席の座席幅は440ミリですが、B席に限っては460ミリと、20ミリ広くなっています。他の席を取れずに不人気席に座る利用者に対する、JRのささやかな気配りなのでしょうか。
なお、グリーン車では座席幅は普通車よりも広く、N700系では480ミリとなっています。また、普通車に関しても、山陽新幹線の「こだま」で使われる500系・700系、山陽・九州新幹線の直通列車などで使われるN700系、西九州新幹線のN700Sは、主に指定席として使用する車両に、2+2列配置でグリーン車なみの幅を持つ座席を設置しています。
一方、山形新幹線「つばさ」、秋田新幹線「こまち」で使われるE3系、E6系、E8系は、在来線に直通する関係上、ほかの新幹線車両よりも車両の幅が狭くなっています。座席の配置はグリーン車と同じ2+2列ですが、座席幅に関しては、他形式の普通車と同じ数値です。
また、東海道・山陽新幹線の16両編成では、7号車の一部に「S WorkPシート」が設定されています。B席にパーテーションを設置しており、A・C席の利用者が約1.5人分のスペースを利用できるというもの。1200円の追加料金が必要ではありますが、従来よりも広い占有スペースを利用できます。