鉄道コム

鉄道コらム

京成の新型車両3200形 「フレキシブルに変更」の意味や「電気連結器」の内容は? 京成に聞く

2024年5月23日(木) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

京成電鉄は5月20日、新型車両「3200形」の詳細を発表しました。「人や環境にやさしいフレキシブルな車両」がコンセプトで、編成車両数をフレキシブルに変更できる車両だということです。

デザインなどが発表された京成3200形(画像:京成電鉄)
デザインなどが発表された京成3200形(画像:京成電鉄)

フレキシブルに編成車両数を変更できる車両とは、どういうものなのでしょうか。京成によると、3200形は「2両単位で車両数を変更可能とすることにより、一時的な輸送需要の増減の際に増結・分割することが可能」だということ。具体的には、「『先頭車+中間車』のユニットを多数導入し、自在に組み合わせて4両~8両編成を組成」する形式だといいます。同社の現行車両である3500形に似たしくみのようです。

2両単位で車両数を変更できる3200形の組成イメージ(取材を基に編集部作成)
2両単位で車両数を変更できる3200形の組成イメージ(取材を基に編集部作成)

3200形が発表された際、SNSでは「電気連結器」を搭載していることが一部で話題となりました。電気連結器は、運転操作(加速やブレーキなど)の指令情報や、放送、空調などの情報を、連結相手に伝送できる装備。京成では初導入です。同社に導入の理由を聞くと、「車両の分割併合を容易に実施すべく電気連結器を採用しました」とのこと。これがない場合は専用のケーブル(ジャンパ線)を接続する必要がありますが、電気連結器ではジャンパ線よりも連結・解放時の作業を削減できるというメリットがあります。

電気連結器は、通常であれば1段、または上下の2段の配置となっています。しかし、3200形のイメージ画像をよく見ると、上下2段のほか、左右にも電気連結器を配置した構成のよう。京成は、「車両間を引き通す電線の関係上、上下左右の搭載が必要となります」と説明しています。同様に左右の電気連結器を搭載した例は、JR四国の8000系や8600系など、JR九州の821系やYC1系でも見られます。

JR九州の821系の電気連結器(赤枠内)。京成3200形同様、上下左右の4つを装備しています
JR九州の821系の電気連結器(赤枠内)。京成3200形同様、上下左右の4つを装備しています

ちなみに、京成の直通先各社局の車両のうち、都営地下鉄の5500形、京浜急行電鉄の各形式(6両編成を除く)では、3200形同様に電気連結器を搭載しています。他社局車両との電気連結器の互換性や、これを使用しての協調運転が可能かを聞きましたが、「機械的な連結は可能ですが、電気的に連結・協調はできません」との回答がありました。

3200形は、2025年冬に導入する予定。2024年度は6両を導入するといいます。画像では、行き先などが千葉線をイメージした表示となっていましたが、京成は「運用については未定」としつつ、「乗り入れ各社線も含め全線走行可能な仕様となっています」としています。

なお、京成が今後導入する一般車両は、3200形に完全に切り替えるとのこと。3200形より前に導入されていた、2019年デビューの3100形については、成田スカイアクセス線用の8両編成7本という少数の導入で終わるようです。

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

ラストランは2月10日

「青胴車」5001形は2月10日にラストラン。引退前の「乗車会」開催や、引退記念グッズ発売も。

画像

「T4編成」展示へ

1月で引退の「ドクターイエロー」T4編成、先頭車がリニア・鉄道館で保存へ。6月に展示開始予定。

画像

幻の東京圏「改良計画」とは?

1950年代の国鉄は、東京圏を今と違った形に改良する計画を持っていました。その中身とは?

画像

「サステナ車両」5月デビュー

元小田急の西武8000系が、車両基地を出場。デビューは2024年度末から2025年5月末に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、標準~望遠・超望遠レンズ編です。

画像

1月の鉄道イベント一覧

2025年も鉄道コムをよろしくお願いします。1月の計画立案には、イベント情報をどうぞ。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。