鉄道コム

鉄道コらム

旧型「やくも」車両引退で「国鉄特急色」の定期運用も消滅 最後に残ったのは意外な車両!?

2024年6月20日(木) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

1958年にデビューした20系→151系以来、多くの国鉄特急型電車・気動車では、クリーム色と赤色のツートンカラー、いわゆる「国鉄特急色」が施されていました。

全国各地で見られた国鉄特急色ですが、イメージアップなどを目的とした塗装変更や、車両自体の老朽化により、この塗装の車両は次第に減少。そして6月14日、「やくも」で運用されていた381系の国鉄色編成が引退したことで、国鉄特急色をまとった車両による定期列車は消滅しました。

「やくも」で活躍していた381系の国鉄特急色編成。2022年にリバイバル塗装として登場しましたが、6月14日に引退となりました(d51北海道さんの鉄道コム投稿写真)
「やくも」で活躍していた381系の国鉄特急色編成。2022年にリバイバル塗装として登場しましたが、6月14日に引退となりました(d51北海道さんの鉄道コム投稿写真)

国鉄特急色をまとった車両による定期列車は、実は2015年に一度消滅していました。さらに、2018年4月にJR東日本の189系が引退したことで、クリーム+赤の国鉄特急色が施された現役車両自体がなくなっていました。しかし、2022年3月、381系1本が国鉄特急色に復刻されたことで、約4年ぶりにこの塗装をまとった国鉄型車両が復活。この編成が、6月14日までの間、最後の定期運用を持つ国鉄特急色車両となっていました。381系自体は、今後も多客期に営業列車に投入されるようですが、国鉄色編成は6月で運用終了となっています。

なお、一般的に国鉄特急色というと、クリーム+赤のツートンカラーを指します。しかし、「国鉄が特急型車両に施した塗装パターン全て」と解釈すれば、JR東日本の185系電車、JR四国のキハ185系(復刻車両の2両のみ)も、国鉄特急色の車両とはいえそうです。ただし、185系電車に関しては、既に定期運用を持っていません。少なくとも、国鉄が制定した特急車両用カラーをまとう”電車”による定期列車は、いずれにせよ消滅しています。

そしてもう一つ、国鉄型車両ではありませんが、クリーム+赤の国鉄特急色をまとう車両が存在します。JR東日本の勝田車両センターに所属する、E653系K70編成です。臨時列車用として、2018年11月に新潟から勝田へ転属(営業運転開始は2019年2月)した同編成は、転属時に国鉄特急色に塗り替えられています。E653系K70編成は、国鉄型車両ではなく、定期運用も持たない車両ではありますが、今後も国鉄特急色をまとう現役唯一の車両として、活躍が続きます。

現役車両では唯一、クリーム+赤の「国鉄特急色」をまとう、E653系K70編成
現役車両では唯一、クリーム+赤の「国鉄特急色」をまとう、E653系K70編成

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

関連鉄道コらム

関連鉄道リポート

関連鉄道イベント情報

鉄道コムおすすめ情報

画像

ラストランは2月10日

「青胴車」5001形は2月10日にラストラン。引退前の「乗車会」開催や、引退記念グッズ発売も。

画像

「T4編成」展示へ

1月で引退の「ドクターイエロー」T4編成、先頭車がリニア・鉄道館で保存へ。6月に展示開始予定。

画像

幻の東京圏「改良計画」とは?

1950年代の国鉄は、東京圏を今と違った形に改良する計画を持っていました。その中身とは?

画像

「サステナ車両」5月デビュー

元小田急の西武8000系が、車両基地を出場。デビューは2024年度末から2025年5月末に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、標準~望遠・超望遠レンズ編です。

画像

1月の鉄道イベント一覧

2025年も鉄道コムをよろしくお願いします。1月の計画立案には、イベント情報をどうぞ。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。