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大井川鐵道に「名物社長」就任へ、関東では特急車が「2度目の定期列車引退」 今週一週間の鉄道ニュース

2024年6月30日(日) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

一週間の鉄道ニュースの中から、鉄道コム注目の話題をご紹介するこの連載。まず取り上げるのは、大井川鐵道の新役員選任のニュースです。

大井川鐵道は6月28日、同日開催した定期株主総会にて選任された役員を発表しました。副社長、取締役、監査役は再任ですが、代表取締役社長には新たに鳥塚亮さんが就任しました。

SL列車の運転で知られる大井川鐵道
SL列車の運転で知られる大井川鐵道

鳥塚さんは、航空業界などを経て、2009年にいすみ鉄道の社長に就任。2018年まで同社社長を務めた後、2019年から2024年6月末まではえちごトキめき鉄道の社長を務めていました。鳥塚さんは両社において、増収策として鉄道ファンを意識した施策を展開。いすみ鉄道では、キハ52形(現在は定期運用を終了)やキハ58形(現在は引退済み)を導入したほか、新製車両の前面を国鉄型気動車風に変更し導入。えちごトキめき鉄道では、国鉄型の413系・455系を導入し、「観光急行」として走らせてきました。

その「名物社長」が新たに赴く大井川鐵道は、SLのほか、南海や近鉄、東急からやってきた古い車両が活躍する大井川本線と、日本では唯一の「アプト式」を使用している井川線の、2つの路線があります。これまで車両にフォーカスした施策を多数展開してきた鳥塚さんにとっては、最高の舞台かもしれません。一方で、大井川本線は現在一部区間が災害によって運休となっているほか、同社線は以前から利用客の減少が続いているという、経営環境面では厳しい状態。新たな社長の就任で、大井川鐵道はどう変わっていくのでしょうか。

大井川鐵道の21000系。もともとは南海で活躍していた車両で、製造から60年を超える大ベテランです
大井川鐵道の21000系。もともとは南海で活躍していた車両で、製造から60年を超える大ベテランです

もう一つご紹介するのは、JR東日本の特急型車両である255系。同形式による定期列車の運用が、6月29日で終了しました。

「2度目の定期列車引退」を迎えた255系
「2度目の定期列車引退」を迎えた255系

255系は、3月17日までは千葉県内を中心に走る特急「わかしお」「さざなみ」「しおさい」で活躍してきましたが、翌18日のダイヤ改正でE257系、E259系に置き換えられ、定期運転を終了……したはずでした。しかし、同日以降の房総方面特急列車全車指定席化の絡みで、「わかしお」「さざなみ」の一部列車で255系による運用が残存。3月のダイヤで定期運転を終了していたはずの車両が、約3か月間生き長らえていました。6月29日をもって255系の定期列車運用は終了し、「わかしお」「さざなみ」の定期列車が全てE257系による運用となったことで、255系は「2度目の定期列車引退」を迎えています。

ただし7月以降も、255系は臨時列車の「新宿わかしお」「新宿さざなみ」で使用されることが発表済み。9月には、臨時特急「ビューわかしお」「ビューさざなみ」でも運転される予定です。定期運用こそ終えた255系ですが、その活躍自体はまだまだ続きそうです。

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