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JR東・JR西が「共通化検討」、どういう方向に? 今週一週間の鉄道ニュース

2024年7月7日(日) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

一週間の鉄道ニュースの中から、鉄道コム注目の話題をご紹介するこの連載。まず取り上げるのは、JR東日本とJR西日本の「共通化」のニュースです。

JR東日本とJR西日本は7月5日、在来線車両の共通化をめざし、検討を開始したと発表しました。まずはモーターや行先表示器といった装置・部品から取り組みますが、将来的には他社や車両メーカー、サプライチェーンも巻き込み、対象範囲を拡大していくとのこと。ドア位置や車体幅、デザインといった、車体設計の共通化もにおわせています。

JR東日本の在来線車両
JR東日本の在来線車両
装置・部品の共通化イメージ(画像:JR東日本)
装置・部品の共通化イメージ(画像:JR東日本)

国鉄時代には、キハ40系のように、全国の在来線に投入された車両がいましたが、それも今は昔。国鉄分割民営化以降、JRグループでは、E7系・W7系、223系5000番台・JR5000系のような一部の例外を除き、各社が独自に開発した車両を導入してきました。しかし、乗客数や人口の減少が続く現在、将来的に鉄道事業を維持していくためには、今回の共通化のような取り組みが必要だと、JR東日本、JR西日本の両社は考えているよう。まずはできる範囲から取り組む方針ですが、将来的には国鉄時代のように、東京と大阪で同じ設計の新型車両が投入されるようになる……のかもしれません。

もう一つご紹介するのは、将来の車両の話題とは打って変わって、引退した車両の話題です。いすみ鉄道は7月3日、引退した「いすみ206」を、龍宮城スパホテル三日月に譲渡したと発表しました。

いすみ鉄道のいすみ206(画像:いすみ鉄道)
いすみ鉄道のいすみ206(画像:いすみ鉄道)

いすみ206は、1988年のいすみ線開業時に導入された車両のうちの1両。デビュー時はいすみ100型という形式でしたが、座席をセミクロスシートからロングシートに改造した際、いすみ200型に形式を改めていました。後継車によって置き換えられたいすみ200型のうち、いすみ206は最後に残った車両。その車両が今回、同じ千葉県内にあるホテルに譲渡され、展示車両として第二の「車生」を歩むこととなったのです。

龍宮城スパホテル三日月では、「いすみ鉄道ルーム」のほか、「小湊鐵道ルーム」「小湊バスルーム」「銚子電鉄ルーム」「合同ルーム」と、各社のグッズなどに囲まれる特別ルームが、7月12日から提供されるとのこと。いすみ206は、このルーム提供にあわせて設置される「三日月龍宮城駅」に展示されます。

ちなみに、いすみ200型は、かつて富士重工業(現在のSUBARU)が製造していた「LE-CarII」シリーズの車両。地方ローカル線向けに開発されたディーゼルカーで、各社共通の設計となっていました。先の共通化の話題ですが、このようなローカル線向けのほか、日本車輌の「日車標準車体」、総合車両製作所の「Sustina」など、古今東西さまざまなものが存在しています。

 

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