一週間の鉄道ニュースの中から、鉄道コム注目の話題をご紹介するこの連載。この一週間では、東海道新幹線の運転見合わせが社会的な話題となりましたが、もう一つ、JR西日本の500系の引退発表も、大きな話題となりました。
1997年にデビューした新幹線500系は、日本で初めて時速300キロでの営業運転を実現した車両。「戦闘機」にも例えられる独特のデザインにより、デビューから時が経った今も根強い人気があります。そんな500系ですが、JR西日本は24日、2027年をめどに運用を終了すると発表しました。
高速で走る新幹線は、走行時のダメージが大きいことから、在来線車両よりも置き換えのペースが速い傾向にあります。初代新幹線車両の0系は、1964年から2008年まで活躍していましたが、その約44年の中では、老朽化した0系を新造0系で置き換えていたこともありました。結果、歴代の新幹線営業車両では、製造から引退まで30年を超えた車両は存在していないようです。
500系の現存車両は、1997年から1998年にかけて製造された編成です。500系の引退は2027年ごろになるということ。具体的な引退月はまだ未定ですが、もしかすると、新幹線車両で初めて「製造30年超え」を達成できる編成が現れるかもしれません。
なお、プレスリリースでの発表はありませんでしたが、JR西日本に取材すると、500系とともに山陽新幹線の「こだま」で活躍する700系7000番台も、今後は順次置き換えていくということです。700系7000番台は、最終増備編成を除き、2000年から2001年にかけて製造されたグループ。こちらの完全な引退時期は不明ですが、2030年~2031年まで生き残ることができれば、こちらも「製造30年超え」達成車両となります。
もう一つご紹介するのは、JR東日本の山田線の「計画運休」です。盛岡駅と宮古駅を結ぶこの路線では、毎年秋、落葉などによる空転を原因とした遅延が問題となっているといいます。JR東日本盛岡支社は、この遅延を旅客が多い区間へと波及させないための対策として、10月15日から11月15日までの32日間、上米内~川内間で営業列車の運転を取りやめると発表しました。
山田線のような勾配のある路線で、秋の落葉などで列車が空転し遅延が発生する事例は、他の路線でも見られます。たとえば奥羽本線の場合は、福島~米沢間の途中にある「板谷峠」で、秋ごろに普通列車を増結して空転対策としています。しかし、列車をまるごと運休する事例は非常に珍しいものです。