鉄道コム

鉄道コらム

運転士と一緒に出発進行! 乗務員室に「添乗」するぬいぐるみたち

2024年9月22日(祝) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

運転士、車掌などの仕事場である、乗務員室。鉄道ファンの憧れともいえる仕事場ですが、一部の鉄道会社には、ここに「添乗」している(なかには「常駐」に近い形の場合も)存在があります。

それが、沿線のイメージキャラクターなどのぬいぐるみ。近年は関西地区の私鉄などで時々見られますが、筆者が知る限り、2010年には「添乗」の実績があります。その歴史の長さを、意外に思う方もいるのではないでしょうか。今回は、「オレは(乗務員室に)入れないのに、羨ましい……」と嫉妬を集めていそうな彼らに、スポットを当ててみたいと思います。

まずは神戸電鉄。2010年5月、当時の最新車両だった6000系6003編成に粟生線シンボルキャラクターのラッピングが施されたと同時に、同社のキャラクター「しんちゃん」のぬいぐるみが乗務員室に置かれました。季節などによって、服装が適宜変えられています。ぬいぐるみは長い歴史のなかで代がわりを繰り返しており、車両を変えながら現在も「添乗」しています。

ぬいぐるみの「添乗」で、長い(?)歴史を持つ神戸電鉄。時期や季節によって、ぬいぐるみの表情や服装が異なっています
ぬいぐるみの「添乗」で、長い(?)歴史を持つ神戸電鉄。時期や季節によって、ぬいぐるみの表情や服装が異なっています

続いて紹介するのは、阪急電鉄。定期的にキャラクターとのコラボ企画を開催している同社ですが、2020年の「コウペンちゃん」とのコラボでは、期間限定の装飾車両にぬいぐるみが乗りました。以降、「ミッフィー」「ちいかわ」など、複数のキャラクターが「添乗」しています。また、阪神電車でも、武庫川線用の車両に阪神タイガースのキャラクターのぬいぐるみが乗っていたことがあります。

関東では、西武線の特急「Laview」に、ムーミンのキャラクター、小田急線で、同社の子育て応援キャラクター「もころん」が、ラッピング車両「もころん号」に乗るなどの事例があります。キャラクターとのコラボ車両は、関東でも複数の事例がありますが、ぬいぐるみの「添乗」は、関西ほど多くない印象です。また、相鉄や京急では、新型車両の甲種輸送や試運転など、非営業列車で同社イメージキャラクターなどが乗ることがあります。

「もころん」が「添乗」する、小田急のラッピング車両。片側の先頭車両では、「もころん」が同社の制服を着ていることがわかります
「もころん」が「添乗」する、小田急のラッピング車両。片側の先頭車両では、「もころん」が同社の制服を着ていることがわかります

話を関西に戻し、最後に南海電車の事例を紹介します。同社では2021年に「すみっコぐらし」とのコラボ企画を実施し、ラッピング車両も期間限定で運転されていました。この期間中に一時、乗務員室にキャラクターが「添乗」していました。また、それとは関係なく、冬場には「ラピート」「こうや」などの特急用車両に雪だるまが乗っていたことがあります。筆者が確認したのは、2021年末~2022年初頭の冬。これ以降、雪だるまの出番はないようですが、今後復活することはあるのでしょうか。

2022年1月に撮影した南海50000系「ラピート」。先頭部に雪だるまが乗っているのが見えます
2022年1月に撮影した南海50000系「ラピート」。先頭部に雪だるまが乗っているのが見えます

本当に小さなことですが、こうした「遊び心」に触れることも、鉄道における楽しさのひとつなのでしょう。筆者も、次はどの路線に誰が「添乗」するのか、ひそかに楽しみにしています。「できれば1度くらい、自分もぬいぐるみの目線に立ってみたいな」と思いながら。

 

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

登場時デザイン撮影会で

京急600形30周年にあわせた撮影会が12月に開催。600形デビュー時デザインが撮影会限定で復活。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

4000系が「機関車風」塗装に

「西武秩父線開通55周年記念車両」11日運転開始。4000系をE851形を模した塗装に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、高倍率ズーム・広角レンズ編です。

画像

京都鉄博に381系

12月12日~17日に特別展示。16日までは、一部で「スーパーくろしお」色ラッピングも実施。

画像

11月の鉄道イベント一覧

数百件の情報を掲載中。鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。