鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

北陸新幹線の「E7系」と「W7系」何が違う? 実はほとんど同じの兄弟車

2024年8月15日(木) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

北陸新幹線では、JR東日本のE7系と、JR西日本のW7系の、2つの形式が使われています。

北陸新幹線を走るE7系
北陸新幹線を走るE7系

E7系は、2014年3月にデビュー。当時は北陸新幹線(長野新幹線とも)は長野駅までの開業で、列車種別も「あさま」のみでした。ここで営業運転を開始したE7系は、それまで北陸新幹線で使われていたE2系を順次置き換えていきました。また、2019年3月以降は、上越新幹線の「とき」「たにがわ」にも投入されています。一方のW7系は、2015年の北陸新幹線長野~金沢間延伸開業にあわせて営業運転を開始しました。

E7系とW7系は、北陸新幹線金沢開業を見据えて開発された共通設計車です。両形式とも、現代の新幹線としては比較的シンプルな先頭形状や、白と青のデザイン、12両編成という形態など、ほとんどの要素が共通しています。違う点を挙げるとすれば、会社・形式表記、車内チャイム、編成記号、所属基地、運用など、細かい部分ばかりです。

JR西日本が保有するW7系
JR西日本が保有するW7系

E7系・W7系の側面には、「7」をモチーフとしたロゴが描かれています。基本的なデザインは両形式で共通ですが、E7系は「EAST JAPAN RAILWAY」、W7系は「WEST JAPAN RAILWAY」と、社名部分の表記のみが異なっています。

E7系とW7系のロゴ。社名の部分のみ、E7系(下の上段)とW7系(同下段)で異なっています
E7系とW7系のロゴ。社名の部分のみ、E7系(下の上段)とW7系(同下段)で異なっています

車内チャイムは、E7系は上越・北陸新幹線で使われてきたメロディーを使用。W7系では、谷村新司さん作曲の「北陸ロマン」がアレンジされて使われています。なおW7系では、2015年3月から9月までの約半年間は、東海道・山陽新幹線のJR西日本所属車両と同じ「いい日旅立ち・西へ」が使われていました。

新幹線では、形式ごとに別々の編成記号がつけられています。たとえばE5系は「U」、E6系は「Z」などとなっていますが、E7系は「F」、W7系は「W」が使われています。

両形式は所属会社が異なるので、所属車両基地ももちろん異なります。E7系は長野新幹線車両センターと新潟新幹線車両センター、W7系は白山総合車両所に所属。長野新幹線車両センター所属車は「かがやき」「はくたか」のほか「あさま」運用が多い一方、新潟新幹線車両センター所属車は「とき」「たにがわ」運用が中心。白山総合車両所所属車は、敦賀開業以降は「かがやき」「はくたか」「つるぎ」が中心の運用となりました。とはいえ、新潟所属車が北陸新幹線の運用に入ることも(その逆も)あり、E7系の運用をW7系が代走することも(その逆も)あるようです。

以上のように、E7系とW7系の違いは、非常に細かい点ばかり。東海道・山陽新幹線の場合、たとえばN700Sのように、JR東海とJR西日本が同じ形式を導入しています。E7系・W7系も、社名を表すアルファベットが違うのみで、N700Sなどと同様、実質的には同じ形式といえます。

 

鉄道コムの最新情報を無料でお知らせしますプッシュ通知を受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

高山本線全通90周年ツアー

HC85系による団体臨時列車が10月に運転。往路は美濃太田車両経由、復路は太多線・中央本線経由で運転。

画像

大村車両基地公開イベント

西九州新幹線の車両基地、大村車両基地が9月21日に公開。当日は臨時「GO WEST号」運転も。

画像

移設前最後の車内公開イベント

ららぽーと新三郷に保存されている「夢空間」。清瀬市への移設を前に、9月に同地最後の車内公開イベントが開催されます。

画像

9月の鉄道イベント一覧

まだまだ暑くても、季節は秋に突入。9月のプラン立てには、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。