JR全線の普通・快速列車の普通車自由席が乗り放題となる「青春18きっぷ」。5回・人分がセットで1万2050円というリーズナブルな価格で、鉄道ファンのみならず、それ以外の人たちにも根強い人気があります。
夏用の有効期間は、7月20日から9月10日まで。そのシーズンもまもなく終了するところですが、中には「1回分余ってしまった……」という人もいるのではないでしょうか。筆者もその一人。というわけで、残り少なくなった18きっぷシーズンで、余った回数分を有効活用できる首都圏の移動プランを、鉄道コムがご提案します。
ちなみに、東京駅を基準とした場合、青春18きっぷの往復利用では、北は間々田駅や籠原駅、東は久住駅や巌根駅、西は四方津駅や二宮駅まで乗車すれば、元が取れる計算です。目安となる近辺の主要駅は、小山、水戸、佐原、上総一ノ宮、木更津、久里浜、国府津、大月の各駅となります。
宇都宮で餃子&LRT
東北本線(宇都宮線)で北に向かうと、栃木の中心地、宇都宮があります。宇都宮といえば、鉄道ファン的には2023年に開業した「宇都宮ライトレール」。18きっぷで訪問するにはちょうどいい距離かもしれません。
また、宇都宮の名物といえば餃子。LRTとセットで食べに行くのもよさそうです。ただし、宇都宮の有名餃子店はどこも並ぶため、時間には余裕を持つ必要があります。
横川で釜めし&文化むら
高崎線と信越本線を乗り継げば、碓氷峠のふもと、横川駅。ここには、かつて碓氷峠越えで活躍したEF63形をはじめとする、さまざまな車両が保存された「碓氷峠鉄道文化むら」があります。展示車両を見るだけでなく、園内から出るトロッコに乗車し、峠方向に向かった途中にある温泉施設「峠の湯」に立ち寄ることもできます。
碓氷峠といえば、荻野屋の「峠の釜めし」も欠かせません。ここ最近は、関連会社による店舗が東京都内にもオープンしていますが、やはり発祥の地で食べる釜めしは格別です。
少し足を延ばして越後湯沢へ
高崎線、上越線と乗り継ぎ、国境の長いトンネルを越えると、越後湯沢に到着します。スキーシーズンには大変にぎわう越後湯沢ですが、夏場も地元の日本酒や「へぎそば」といった特産品が。駅にはさまざまな日本酒を利き酒できる「ぽんしゅ館」があり、お酒好きにはたまりません。
魚を求めて東へ? 西へ?
食べ物ばかりになってしまったので、続いて魚もご提案。首都圏で魚が楽しめる場所といえば、銚子や那珂湊、勝浦、小田原などが挙げられますが、今回は青春18きっぷを活用したプラン。日帰り範囲でも、静岡県の清水や焼津まで選択肢に入ってきます。
ちなみに、銚子、那珂湊、清水には、大手私鉄グループではない地元の私鉄路線が通っています。もちろん青春18きっぷでは乗車できませんが、都心の路線とは異なる、のどかな路線の雰囲気を体感するのも面白そうです。