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「カシオペア」にも影響を与えた豪華寝台列車「夢空間」、移設前最後の公開イベントが9月開催

2024年8月30日(金) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

ららぽーと新三郷は、施設内で展示している「夢空間」の「ダイニングカー」の公開イベントを、9月に開催すると発表しました。

ららぽーと新三郷で展示・保存されている「夢空間」の「ダイニングカー」(画像:写真AC)
ららぽーと新三郷で展示・保存されている「夢空間」の「ダイニングカー」(画像:写真AC)

「夢空間」とは、発足直後のJR東日本が、新たな寝台列車のあり方を模索するために製造した、3両の寝台列車用の車両。国鉄時代に製造された、いわゆる「ブルートレイン」とは異なり、緑色のダイニングカー(食堂車)、赤色の「ラウンジカー」、そして青色の寝台車「デラックススリーパー」と、色とりどりかつさまざまな内装の車両が製造されました。

デラックススリーパーは、2人用A寝台個室が3部屋のみという、1両の定員がたった6人の車両です。特に最上級個室の「エクセレントスイート」は、リビングルームやバスタブなども備えた超豪華仕様。車内にバスタブを設置した車両は、夢空間以降、2017年デビューのクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」まで現れませんでした。このほか、ダイニングカーには個室、ラウンジカーにはピアノと、従来のブルートレインとは大きく異なる、まさに「豪華寝台列車」として、夢空間は登場しました。

もともとは博覧会用の展示用に製造された夢空間でしたが、1991年以降は、首都圏と北海道を結ぶ寝台特急「北斗星」に連結され、臨時列車を中心に営業運転に投入されました。残念ながら2008年に営業運転を終了したものの、豪華寝台列車というコンセプトは、1999年にデビューしたE26系「カシオペア」に受け継がれています。

「夢空間」のコンセプトを受け継いで生まれた「カシオペア」
「夢空間」のコンセプトを受け継いで生まれた「カシオペア」

引退した夢空間は、ダイニングカーとラウンジカーの2両がららぽーと新三郷で、デラックススリーパーが都内のレストランで、それぞれ静態保存されてきました。このうち、ららぽーとで保存されてきた2両については、2026年に児童館などの複合施設を開業する計画を進めている清瀬市が、賑わい創出などを目的として、ららぽーとを運営する三井不動産グループから譲受することが決定しています。清瀬市では、公園内に夢空間2両を設置する計画。移設に際しては、車両をメンテナンスしたうえで、屋根を設置した場所に保存するということです。

清瀬市が整備する新たな複合施設の整備イメージ図。画像中央に「夢空間」2両が保存されているのが見えます(画像:清瀬市)
清瀬市が整備する新たな複合施設の整備イメージ図。画像中央に「夢空間」2両が保存されているのが見えます(画像:清瀬市)

今回ららぽーと新三郷で開催されるイベントは、清瀬市への移設前最後となる、ダイニングカーの車内公開企画です。開催日は、9月14日~16日、21日~23日の、いずれも三連休の3日間。当日、ららぽーと新三郷で5000円以上購入したレシート(合算OK)の提示で、先着順で参加できるとしています。なお、ラウンジカーについては普段から車内が一般公開されており、イベント開催期間中も、自由に車内を見学できます。

また、夢空間を譲受する清瀬市では、保存費用などに充当するためのクラウドファンディングを、10月31日まで実施中。支援者に対しては、夢空間オリジナルグッズなどの返礼品が用意されています。

 

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