近畿日本鉄道と三重県四日市市は27日、近鉄内部(うつべ)・八王子線の運行業務を担う新会社「四日市あすなろう鉄道株式会社」を設立した。第二種鉄道事業者として、2015年春に運営を始める。
四日市あすなろう鉄道は、近鉄内部・八王子線の公有民営方式移行に伴い設立した新会社。2015年春以降、四日市市が鉄道施設と車両を所有する第三種鉄道事業者に、新会社が第二種鉄道事業者となり、市から施設と車両を借り受けて鉄道事業を運営する。新会社の社名は、「明日」の「あす」と、内部・八王子線の特徴である特殊狭軌「ナローゲージ」の「なろう」を組み合わせて名づけた。沿線住民とともに育てていく鉄道という思いも込めているという。資本金は5000万円で、四日市市が25%、近鉄が75%を出資。代表取締役社長には、近鉄の田淵裕久取締役専務執行役員が就いた。
四日市市内を走る内部線と八王子線は、近鉄の支線。同社では、利用者減に伴う赤字続きで同線の廃止を検討していたが、2013年9月に公有民営方式に移行することで四日市市と合意。鉄道の存続が決まった。