日立製作所は16日、英国の都市間高速鉄道の1路線であるEast Coast Main Line(ECML)向けに、497両(Class800シリーズ65編成)の納入と、27年半に渡る保守事業の正式契約を締結したと発表した。
当契約は、2012年7月に一括受注した車両596両(92編成)のうち、既に融資契約を締結しているGreat Western Main Line(GWML)向け369両(57編成)を除いた、商務契約済みの227両(35編成)と、2013年7月に追加受注を内定したECML向け270両(30編成)に関する融資契約の締結に関するもの。
同社が英国の都市間高速鉄道向けに納入する車両は、電気・ディーゼル併用車両であるClass800と電車のClass801。電気・ディーゼル併用車両は、電化区間で使用する駆動動力に加えて、非電化区間における駆動動力として、床下にディーゼル発電機を装備している。ディーゼル発電機は取り外しが可能となっており、電化区間が拡大された際の移行が円滑に行えるように設計されている。
投入編成数は、GWML向けに9両編成電車21編成、5両編成電気・ディーゼル併用車両36編成(合計369両、57編成)、ECML向けに5両編成電車12編成、5両編成電気・ディーゼル併用車両10編成、9両編成電気・ディーゼル併用車両13編成、9両編成電車30編成(合計497両、65編成)が予定されている。
Class 800シリーズの投入により、GWML、ECMLの両幹線で現在運転している列車と比較して、座席あたりの重量が大幅に削減されており、所要時間の改善に加え、エネルギー使用量の削減が可能となる。Class800シリーズによる旅客鉄道輸送サービスは、GWMLでは2017年中から、ECMLでは2018年中から開始する見込み。
現在、同社では、Class800シリーズの設計を進めており、既に多くの部品の調達先の選定を完了している。今年中に先行生産車両3編成の製造を、山口県下松市の笠戸事業所で行う予定で、英国には2015年前半に発送する予定。