JR北海道と北海道は4月30日、江差線(五稜郭~木古内間)の第三セクター化について、安全運行体制の構築や経営を引き継ぐ鉄道会社に対する協力内容で、書面による基本合意を締結した。
今回の基本合意は、JR北海道と北海道の間で締結したもの。第三セクター鉄道会社の安全運行体制を構築するため、JR北海道は国からの事業改善命令などに基づく必要な措置をおこなうとともに、経営分離までに譲渡資産に対する必要な検査と修繕を確実に実施することが盛り込まれた。JR北海道が譲渡するのは、16億円程度の鉄道資産。不用な資産の撤去費用、開業前に必要となる施設などの改修・整備費、出向社員の人件費の一部についてもJR北海道が負担する。運行管理業務は、JR北海道が経営移管当初に限り一部を請け負う。江差線の列車が乗り入れる函館本線の函館~五稜郭間の運行は、JR北海道が第三セクターの車両と乗務員を借りる形でおこなう。割引定期乗車券や割引企画回数券を用いた乗継割引制度も導入する。また、JR北海道は第三セクター鉄道会社に対し、人材育成を目的とした教育訓練などでも協力。事故や災害時の要員派遣、資材の提供については、JR北海道と第三セクター鉄道会社が相互に協力することで合意した。
江差線の五稜郭~木古内間は、2016年春の北海道新幹線開業にともない、「並行在来線」として経営分離し、第三セクターの鉄道会社が運営する。なお、第三セクター化されない江差線の木古内~江差間は、利用者の減少により、2014年5月12日(月)に廃止される。