JR東日本高崎支社は20日、吾妻線の新設線と川原湯温泉駅の新駅舎を、2014年10月1日(水)から使用すると発表した。八ッ場(やんば)ダム建設にともない、線路や駅を移設する。
吾妻線の新設線は、岩島~長野原草津口間の10.4キロで、八ッ場ダム建設により水没する区域を回避するよう敷設する。主な構造物として、トンネル3本、橋りょう5本、高架橋1本を新たに造る。現行のルートに比べ、トンネル部分が14%から77%に増える一方、路盤部分が81%から13%に減少するなど構成が一変。同社では、降雨・積雪などに対する強度も増すとしている。同区間にある川原湯温泉駅も新線上に移設。新設線、新駅舎ともに10月1日から使用する。また、同日から岩島~長野原草津口間の営業キロが変わり、吾妻線全体では現在より0.3キロ短い55.3キロになる。運賃も一部区間で変更になる。
新設線の工事はすでに最終段階まで進んでおり、9月24日(水)の最終列車運行後から切り替え工事を実施する。工事区間の途中にある川原湯温泉駅は、現駅舎での営業を同24日に終える。吾妻線での列車運転は、25日が高崎~中之条間、26日~30日が高崎~岩島間のみに。期間中は、バスによる代行輸送を中之条~長野原草津口~大前間で実施する。
吾妻線は、渋川~大前間を結ぶ55.6キロの路線。電化単線で、吾妻川に沿うように走る。八ッ場ダムは、吾妻川中流部に建設中の多目的ダムで、ダムのせき止めにより、ダム付近の川原湯温泉駅を含む吾妻線沿線部の一部(約6キロ)が水没する。