阪急電鉄は25日、列車内での携帯電話の取り扱いを変更し、1両全体を電源オフとするルールをとりやめると発表した。
同社では、車両編成のうちの1両に「携帯電話電源オフ車両」を設定し、同車両に乗車する乗客全員が携帯電話の電源を切るというルールを実施してきた。携帯電話などから出る電磁波を回避する必要がある乗客を想定し、11年前の2003年7月に導入した。当初は心臓ペースメーカーなどの植込み型医療機器に与える影響を考慮し、同医療機器の装着箇所と携帯電話端末との距離を保つことを定めた総務省の指針を根拠としていたが、2013年1月に同指針が見直され、離す距離が短縮。携帯電話の利用形態が、通話からメールやインターネットに移行しているという状況もふまえ、列車内での携帯電話の取り扱いを変えることにした。変更日は、7月15日(火)。今回の変更により、携帯電話電源オフ車両は運用をとりやめ、各車両の優先座席付近では混雑時に携帯電話電源を切るルールとする。「携帯電話電源オフ車両」を設定している能勢電鉄、神戸電鉄、大阪市交通局地下鉄堺筋線でも、同様に変更する。
阪急では、優先座席の設定も見直し、阪急の3つの本線では、各車両の神戸、宝塚、京都寄りに位置を統一する。優先座席を示すステッカーのデザインも順次変更。優先座席の色も赤紫色(マゼンタ)に順次変更する。
JR西日本などのほかの関西の鉄道事業者は、7月1日(火)以降、優先席付近の携帯電話のルールを順次緩和する。「優先座席付近では携帯電話の電源をお切りください」としている案内に、「混雑時には」を加える。車内での携帯電話の使用に関するルールは、関西の鉄道事業者25社局で統一されることになる。