近畿日本鉄道は、6月14日(土)から主要路線の一部で新型ATSの運用を開始する。
新型のATSは、曲線・分岐点(ポイント)・駅に近接した踏切などの線路条件に応じて速度制限を行うほか、各駅間の最高速度を連続的に制限するといった、「トランスポンダ方式」を採用している。
同日から導入区間は、難波線の全線、大阪線の上本町~布施間と五位堂~榛原間、京都線の竹田~京都間、南大阪線の大阪阿部野橋~今川間、名古屋線の近鉄八田~近鉄名古屋間。導入車両は15編成(前後の運転台で30の車上装置)。
今後、平成28年6月末までに、ATCを導入しているけいはんな線を除く全線に設置する予定。またATS設置工事にあわせて、「運転状況記録装置」や「運転士異常時列車停止装置」の設置も行っていく。
<新型ATSの特徴>
(1)駅間の最高速度や停車駅通過も監視が可能。
(2)曲線や分岐点までの距離や、勾配などのデジタルデータを地上装置から車上装置に送信、車上装置が情報をもとに曲線や分岐までの区間を連続的に速度監視する。
(3)一体型車上装置により新型ATS地上装置だけでなく、従来型ATS地上装置にも最小限の車両改造で対応できコスト削減が可能。
(4)故障を速やかに発見するために、新型車上装置を備えた車両が、新型地上装置の上を通過する際に地上装置をチェックする故障検知機能を搭載。