JR東日本仙台支社は30日、仙石線と東北本線をつなぐ接続線を経由するルートの愛称を「仙石東北ライン」とし、2015年6月までに同ルートで列車の運転を始めると発表した。
仙石線と東北本線の接続線は、松島海岸~高城町間(仙石線)と塩釜~松島間(東北本線)を接続箇所とする新線。新線部分の営業キロは0.3キロで、同接続線を経由するルートの愛称が「仙石東北ライン」に決定した。2015年6月までに、仙台~石巻間で直通列車の運転を始める。仙石東北ラインの運転本数はまだ決定していないが、接続線の輸送人員は、計画時に1日約3000人を見込んでいる。仙石東北ラインの車両は、仙石線が直流、東北本線が交流と電化方式が異なるため、ディーゼルハイブリッド車両HB-210系2両編成を8本(16両)新造し、投入する。
仙台~石巻間は、震災前の快速列車で最短63分だったところ、仙石東北ラインでは10分程度短縮する見込み。現在、石巻から仙台へは、仙石線の代行バス経由で最短93分、石巻線経由の直通列車で最短63分かかっているため、所要時間が改善することになる。
仙石東北ラインの運行ルートの一部となる高城町~陸前小野間は、東日本大震災により大きな被害を受け、同社が復旧に向けた工事を行っている。このうち、陸前大塚~陸前小野間は内陸側に線路を移し、同区間にある東名駅、野蒜駅も高台に移設する。今回、不通区間の復旧の見通しが立ったことを受け、運転再開時期を2015年6月までとした。運転再開日は、別途発表する。同区間の復旧により、仙石線は全線(あおば通~石巻間)での運転を再開し、同時に「仙石東北ライン」も運転を開始する。