JR西日本は22日、通勤形電車207系のリニューアルを行うと発表した。
207系は、同社が設計した最初の通勤形車両で、1991年に営業運転を開始した。初期に導入した0番台車両は20年以上が経過しているため、同社は、安全性やバリアフリーの向上を図るなどのリニューアル工事を実施する。安全性向上対策として、座席の中間に、同社では初となる縦の握り棒と仕切り板を新設。7人がけのロングシートの中間に仕切りを設けて6人がけとし、同仕切り部分に縦の握り棒を取り付ける。座席端の袖仕切りも大型化する。521系3次車や、広島地区向けに導入予定の227系同様、脱線や転覆が発生した際に緊急停止と防護無線の発信を自動で行う「車両異常挙動検知装置」、連結を行っている運転台付きの車両の先頭部にも転落防止の「ホロ」を備える。衝突時の対策の強化も行う。バリアフリー対応としては、両先頭車に車いすスペースを設置するほか、ドアが閉まる際に注意を促す案内音声を新設する。このほか、車内照明や側面表示灯のLED化、行先表示器の更新、車両先頭部のデザイン変更や、電子機器の老朽化対策と安定輸送のため、電子機器の更新も行う。
207系は、国鉄時代の103系電車などの置き換えや、1997年のJR東西線開業時の地下線乗り入れ対応を目的に導入。1990年度から2003年度にかけて、484両が製造された。2005年に起きたJR宝塚線(福知山線)脱線事故の車両と同じ形式で、現在は、後継の321系とともに、JR京都・神戸線、JR宝塚線、学研都市線などで普通・快速電車として運転している。