東京メトロは24日、2015年度に営業運転を開始する予定の銀座線1000系車両3次車に、PMSM(永久磁石同期電動機)とSiC(シリコンカーバイド)ダイオードを用いたVVVFインバータ装置を組合わせた主回路システムを採用すると発表した。東京メトロによれば、同システムの採用は世界初となる。
PMSMは、回転子に永久磁石を用い、軽量でエネルギー効率の高いモーター。モーター内部を密閉し、自己放熱によって本体を冷やす「全密閉・自冷式」の冷却方式を採用している。現在運用中の銀座線1000系車両(1次車・2次車)はすでにPMSMを搭載しており、銀座線01系の主回路システムと比較して、約30パーセントの消費電力削減を実現している。
今回東京メトロが採用するシステムは、SiCダイオードを組み込んだVVVFインバータ装置をPMSMと組み合わせた駆動システム。SiCダイオードは、高温での動作が可能で、熱の発生および損失が小さいなどの特徴をもつ半導体。東京メトロは、同システムの採用で、1000系3次車は01系と比較して約37パーセント、920キロワット時の消費電力が削減可能だとしている。
現在、PMSMを採用した駆動システムは、東京メトロ銀座線のほか、千代田線、丸ノ内線、東西線の車両にも搭載されており、2015年以降はシンガポールの鉄道車両で運用が開始される。