国土交通省と外務省は28日、JR東日本、JR東海、JR西日本の3社が世界貿易機関(WTO)の政府調達協定の対象から外れたと発表した。3社の除外について異議を唱えていた欧州連合(EU)が同日、異議を撤回したため。
WTO政府調達協定は、政府や独立行政法人など、協定附属書に指定した機関が一定額の調達を行う際の取り決め。物品の購入や建設サービスの発注などで基準額を超える場合は、国際的な一般競争にかけることが義務付けられている。JR各社も同協定の適用対象になっていたが、JR東日本、JR東海、JR西日本の3社は完全民営化したため、政府は2001年に3社を同協定の対象外とするよう、WTOに通報。同協定加盟国のうち、当初は米国、カナダ、EUが対象から外すことに異議を唱えていた。今回、最終的にEUが異議を取り下げたことを受け、JR3社は指定機関から除外。今後は自由な調達が可能になる。
10月29日現在、同協定附属書付表に掲載がある鉄道会社は、JR北海道、JR四国、JR九州、JR貨物と東京メトロの5社。