JR貨物は12日、運転士養成・訓練用の教材として、「新形式機関車運転シミュレータ」「ブレーキシステム教材」「事故発生線路再現ソフトウェア」を導入したと発表した。
同社は「中央研修センター」にて、国鉄時代より、「従来形式機関車」の実物の機関車を用いたシミュレータによって運転士の教育・訓練を行ってきたが、JR化以降に導入したEF210形などの「新形式機関車」の割合が増加していることから、今回、既存のシミュレータ1両を撤去し、「新形式機関車」のモックアップを用いた「新形式機関車運転シミュレータ」2台を設置した。
「新形式機関車運転シミュレータ」は、EF210形およびEH500形の運転室と、機械室の一部をモックアップで製作。運転室には実際の機関車と同様の運転機器を、機械室には電気回路の保護機器などを配置している。運転席モックアップの前方に設置した液晶モニタに線路沿線のCG画像を描写することで、運転機器の操作に連動した走行条件を再現できる。
これに加え、実際の台車を用いたブレーキ制御装置と連動した「ブレーキシステム教材」と、実際に発生した運転事故現場の線路状況の再現や、予め想定した運転事故の線路状況を任意に設定できる機能を持つ「事故発生線路再現ソフトウェア」も導入した。
同社では、「新形式機関車運転シミュレータ」および「ブレーキシステム教材」については、10月より新規運転士養成および関東支社所属運転士の訓練に活用している。「事故発生線路再現ソフトウェア」については、支社ごとに導入する「運転士異常時対応訓練シミュレータ」の整備とあわせ順次導入するとしている。