JR九州は27日、非電化区間を蓄電池で走行できる「架線式蓄電池電車」の量産車両の製造に着手し、2016年秋に若松線で営業運転を始めると発表した。国内初の交流型の蓄電池電車で、非電化区間と交流電化区間との直通運転が可能。
架線式蓄電池電車は、交流電力を変換する装置と、リチウムイオンの大容量高電圧の蓄電池を搭載する。2両編成7本(計14両)を導入し、2016年秋に1編成、2017年春に6編成の営業運転を始める。福北ゆたか線(筑豊本線)の交流電化区間との直通運転を想定し、電化区間では架線からの電気で走行し、走行中、停車中に充電。同線の非電化区間である若松線(筑豊本線)の折尾~若松間では、蓄電池で走行し、ブレーキをかけた際の回生エネルギーで充電する。非電化区間の走行中は、パンタグラフを下げる。若松線の営業キロは10.8キロで、今回搭載する蓄電池の容量に適した路線長であることから、同線区での導入を決定。交流電化方式での蓄電池電車の実用化は国内初となる。
同社は、近郊型交流電車817系を改造した蓄電池電車を試作し、2013年から香椎線、若松線、日田彦山線などの非電化区間で、実用化のための試験走行を行っていた。