JR西日本は8日、大阪環状線向けの新型車両323系を2016年度から投入すると発表した。
新型車両323系は、「大阪環状線改造プロジェクト」の重点施策の1つとして導入する。新造する車両数は8両編成21本、計168両。車体はステンレス製で、現行の大阪環状線車両のオレンジ色を基調色にするほか、大阪環状線改造プロジェクトのロゴマークを先頭部などにデザイン。側面のドア数は、2014年2月に実施した3枚ドア車両による統一運用実験の結果を踏まえ、1両あたり片側3枚にする。323系車両は、安全性、安定輸送、情報提供、快適性をコンセプトに製造。EB(Emergency Brake)装置を改良したEB-N型装置(運転士異常時列車停止装置)を同社で初めて採用するほか、車両異常挙動検知装置、戸挟み検知装置などを搭載し、安全性を高める。運転台計器類やパンタグラフなどの二重化、衝突時の対策の強化も図る。車内では、混雑する先頭車両(大阪駅での天満駅側)の出入り口スペースの拡大、各車両への車いすとベビーカーのスペースの配備のほか、設備として、優先座席への個別袖仕切り、立ち席用の腰当てを設置。1編成には試験的に空気清浄機を設ける。また、同社としては初めて、案内ディスプレイ2画面を各車両のドア上と車端部の計8か所に設置。ディスプレイでは、日・英・中・韓の4か国語表示を行い、自動放送は2か国語化する。同社の普通列車車両で初となる、無料の公衆無線LANサービスの提供も行う。
323系車両の投入時期は、2016年度から2018年度。大阪環状線とJRゆめ咲線に投入し、現行の通勤型車両103系(56両)や201系(128両)を順次置き換える。
大阪環状線は、4枚ドアの103系、201系のほか、大和路線や阪和線との直通列車で、3枚ドアの221系、223系、225系の車両があり、ドアの枚数が混ざって運行している。103系や201系が323系に置き換わると、大阪環状線を走る車両は3枚ドアに統一される。大阪環状線の103系は1969年に運転を開始。更新工事により、長年運用を続けてきたが、323系への置き換えで廃車となる。