JR東日本は6日、山田線宮古~釜石間の鉄道復旧についての基本合意書と覚書を、岩手県、沿線の4市町、三陸鉄道との間で締結した。
鉄道復旧の基本合意書、覚書は、山田線の宮古~釜石間(55.4キロ)が対象で、同社と三陸鉄道のほか、岩手県、沿線自治体の宮古市、山田町、大槌町、釜石市との間で締結。鉄道施設の原状復旧費用をJR東日本が負担するとともに、復旧後の経営を三陸鉄道に移管することが明記された。文書では、JRから自治体への鉄道施設や土地の無償譲渡、車両の無償提供のほか、同自治体への移管協力金として30億円を提供することも盛り込まれた。車両は、新造車両8両か、同相当額の金銭を提供する。レールや枕木などの鉄道施設の一部について、三陸鉄道と同水準まで強化し、三陸鉄道が人的支援を要請した場合の支援も行う。検修設備の整備でも協力する。三陸鉄道は、北リアス線、南リアス線と一体で運営を行い、運営の効率化を図ることが盛り込まれた。移管協力金、人的支援など詳細については、別途協議するとしている。
山田線の宮古~釜石間は、2011年の東日本大震災で被災し、今も運休が続いている。同社では、同区間の鉄道復旧にあたり、2014年1月に三陸鉄道での経営一体化を提案。三陸鉄道、岩手県、沿線自治体との間で、その後調整を進め、同12月に大筋での合意に至っていた。