三菱重工業、三菱商事、日立製作所、近畿車輛、Thalesの5社連合は20日、カタール国のカタール鉄道会社(Qatar Railways Company)から、同国初の地下鉄システム「ドーハメトロ」の受注内示を獲得したと発表した。
ドーハメトロは、カタール国の首都ドーハを走行するレッドライン、グリーンライン、ゴールドラインの3路線からなる総延長約86キロ(うち52キロは地下区間)、32駅の鉄道システム。全自動で無人運転を行う。ドーハ国際空港や、旧市街、高層ビルが立ち並ぶウエストベイ地区、ルセール地区等の市内主要部を結ぶ交通インフラとして位置づけられ、都市交通システムとしては世界最大規模のプロジェクト。
今回のプロジェクトでは、三菱重工業は、受配電設備、プラットホームドア、軌道工事、トンネル換気設備等の供給に加え、プロジェクトマネジメントとシステムインテグレーションを手掛ける。三菱商事と近畿車輌は車両225両(75編成)を供給し、Thalesは列車制御方式(CBTC)を用いた信号システム、通信・保安システム、総合運行管理センターおよび自動料金収受システムを供給する。日立製作所はプロジェクトマネジメントの一部を手掛けるほか、軌道・電車線等のインフラの安全性を総合的に検測する総合検測車や一部メンテナンス設備を供給する。
本システムの完成は2019年10月の予定で、契約にはシステム完工後、最長20年にわたる保守も含まれる見込み。将来的には約140キロに及ぶ延伸も計画されている。